新総裁に選出され、記者会見に臨む石破茂氏（撮影・小海途　良幹）

　自民党の次期総裁に選出され、首相に就任する石破茂元幹事長（67）が27日、記者会見に臨んだ。 【写真あり】石破茂氏　ファーストレディーとなる美人妻・佳子さんとは？ 　「今回が最後」と銘打った5度目の挑戦での初当選。会見では、記者から「経済についてはそれほど強くないんじゃないかというイメージもある」と弱点を指摘され、優先させる経済対策について問われた。 　この質問に、石破氏は「どうも経済弱いのではないかというお話ですが、私がいろいろ至らぬ点があるからでございますが」と謙虚に答えた。念頭に置くのは「基本的に、いかにしてデフレスパイラル脱却するか」だという。GDPに占める個人消費の割合が54％であるという統計を持ち出し、「基本的に個人消費が上がらないと経済が良くならない」と述べた。 　デフレスパイラルの解消には、産業構造の変化が必要だとの考えを示した。経済全体に占める輸出の割合について、ドイツは47％、韓国は44％なのに対し、日本はわずか18％。「海外に生産拠点を多く持っていますが、それを国内回帰させることで、日本国内に雇用と所得の機会を作っていく。貿易立国と言われるけれど、経済を見ると必ずしもそうじゃない。それが成長と分配の好循環になかなかうまくつながらないというのが、根本的要因」と見解を示した。 　当面の物価高対策については、「賃金は上昇しているが、それが物価高を超えるものでないといけない」と指摘しつつ、「実際に賃金上昇までにややタイムラグがあると承知している」と認識。「物価高対策でたとえば食料品、エネルギーにどういう政策が最も有効か、見極めたい」と述べた。 　史上最多の9人が立候補する乱戦となった総裁選。1回目の投票で高市氏が181票（議員72票、党員109票）で1位、石破氏が154票（議員46票、党員108票）で2位。過半数を獲得した候補はなく、両氏による上位2人の決選投票になった。決選投票では、石破氏の215票（議員189票、都道府県26票）に対し、高市氏は194票（議員173票、都道府県21票）という僅差だった。