【アルピーヌ】アロンソとピアストリの問題は「解決策を見つける」とルノーCEO
アルピーヌを傘下におくルノーのルカ・デ・メオCEOが、2023年シーズンに向けて3人の優れたドライバーをどう処遇するかということについての「解決策を見つけるつもりだ」と語った。 ■アルピーヌの選択はアロンソ?ピアストリ? 現在、ルノーの事実上のワークスF1チームであるアルピーヌではフェルナンド・アロンソとエステバン・オコンがフルタイムドライバーを務めている。 フランス人ドライバーである25歳のオコンはすでに2024年までの契約をアルピーヌと結んでいるものの、昨年3年ぶりにF1復帰を果たしたスペイン出身のアロンソの契約は今年で満期を迎えることになっている。 2005年と2006年に現在のチームの前身であるルノーで2回F1チャンピオンに輝いたアロンソだが、40歳という年齢もあり、アルピーヌでは2023年には現在現在リザーブドライバーを務めているオスカー・ピアストリと交替させる可能性もあると考えられている。 オーストラリア出身の21歳となるピアストリは2021年のF2チャンピオンであり、F1関係者の中では近年まれに見る逸材だとの評価も高いドライバーだ。 こうした中、アロンソはすでに2023年のシートを確保するためにアストンマーティンと交渉を行っているようだとの噂もささやかれている。 ■理想的な解決策を模索するルノーCEO そして、デ・メオはこのほどアロンソの母国スペインの『DAZN(ダゾーン)』に次のように語った。 「我々はフェルナンドをとても愛している」 「我々は全員のために解決策を見つけなければならないだろう。なぜなら、我々にはエステバンとオスカルという非常に優れたドライバーもいるのだからね。我々はドライバーを守り、全員のために理想的な解決策を模索したいと思っている」 「私は、フェルナンドがなしとげたこと、そして今やっていることはすごいと思うよ」 ■アロンソ抜きではうまくいかないとデ・ラ・ロサ アロンソと同じスペイン出身の元F1ドライバーであるペドロ・デ・ラ・ロサは、こうしたデ・メオのコメントは、実はアルピーヌがアロンソを来季の構想から外す方向に動いていることを示す残念なサインだと考えているようだ。 「私は驚いたよ」 スペインの『Diario Sport(ディアリオ・スポルト)』にそう語ったデ・ラ・ロサは次のように続けている。 「問題は、私に言わせれば、フェルナンドが続けたいと思うのかどうかであって、その逆ではないんだ」 「F1における計画とは、中期的なものであり、そうでなければ結果は出ないよ」 そう語ったデ・ラ・ロサは、アロンソが提唱している中期計画である“El Plan(エル・プラン)”に言及しながら次のように付け加えた。 「エル・プランを機能させる方法は、フェルナンドを数年間チームに抱えておくことだ」。 ■3人のドライバーを守り、それぞれに機会を与えたい だが、デ・メオに言わせれば、現在のアルピーヌは3人のトップドライバーを検討する必要があるという贅沢な悩みを抱えている状況のようだ。 「我々はアロンソの経験とオコンの若さを組み合わせた。そしてこれからはピアストリがそれに加わってくる。その3人のポジションを見つけるのは難しいことだよ」 デ・メオはそう語ると、次のように続けた。 「解決策は彼ら3人にとって100パーセント心地よいものにはならないだろう。しかし、我々はそれぞれに機会を与えなければならないと考えているよ」 「我々は3人のドライバーを守らなければならない。そして、ものすごく才能があると言われているピアストリがいる」 「フェルナンドは41歳で、ピアストリは21歳だ。変化が起こる時がやってくるだろう。だが、フェルナンドは伝説的な存在であり、我々としては彼をただのアルピーヌの従業員であるかのように扱うことはできないよ」 デ・メオが想定している解決策がどのようなものなのかはわからない。だが、多くの関係者によれば、最終的にはアロンソが今年いっぱいでアルピーヌを去り、ピアストリが2023年からアルピーヌでオコンのチームメートとなるというのが最も可能性の高いシナリオだと考えられているようだ。 ■タイトルを獲得できるチームにするには時間がかかる 一方、ルカ・デ・メオは、数年以内にタイトルを獲得する計画を進めていくとしているものの、実際のところはアルピーヌが失速しているのではないかと指摘されていることに対して次のように反論している。 「いつチャンピオンになれるかは誰にもわからないことだ」 「進展を見ていかなければならない」 「競争力のあるチームを作るのに3年かかるのは普通だよ」 そう語ったデ・メオは次のように付け加えた。 「レッドブルやメルセデスも含め、誰にとっても時間がかかることを我々は目にしてきている」