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[ニュース分析]ナンバー2に徹してきた菅総裁、「安倍政策の継承が使命」

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ハンギョレ新聞

菅義偉官房長官、自民党総裁に当選  70%の圧倒的得票…16日、首相に指名される見込み 徹底したナンバー2精神で後継者に 高官人事権を握って“忖度”中心に NHK受信料引き下げなどポピュリストの顔も 衆院解散で「安倍政権シーズン2」のイメージ払拭なるか 

 ナンバー2に徹してきた菅義偉官房長官(72)が自民党総裁選挙で圧勝し、「日本政界のナンバー1」に浮上した。腰の低さと独自のビジョンと政治色を出さない姿勢を貫いたものの、「影の総理」(菅官房長官のニックネーム)と言われるほど官僚の掌握に優れたことから、「安倍政権シーズン2」という冷笑を払拭できるか、疑問と期待感が入り混じっている。  自民党は14日午後2時から衆参両院議員総会を開き、総裁選を行った結果、菅官房長官が有効投票数534票のうち377票(70.6%)を得て当選したと発表した。岸田文雄政調会長は89票(16.7%)で2位、石破茂元幹事長は68票(12.7%)で3位となった。菅新総裁は当選後、「7年8カ月にわたって日本のリーダーとして尽力いただいた安倍首相に心から感謝を申し上げる」としたうえで、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の危機を乗り越え、安倍首相が進めてきた取り組みを継承していかなければならない。私にはその使命がある」と述べた。菅総裁は16日の臨時国会首相指名選挙で、安倍晋三首相に続く次期首相になる。  菅総裁は、秋田県でイチゴを栽培していた富農の息子だったが、政界では「ゼロからのスタート」だった。秘書官から始まり、縁故のない横浜市会議員、衆議院(神奈川県第2区)を経て、官房長官に続き首相まで上り詰めることになった非世襲政治家の象徴だ。  彼が独力で成功した秘訣は徹底した“ナンバー2精神”にあった。安倍首相が7年8カ月の間、官房長官としてそばに置いた菅総裁を後継者に選んだのも、菅総裁の裏で自分の政治的影響力の維持を図る目論見があると見られている。菅総裁は実際、豊臣秀吉を助けナンバー2として生きてきた弟、豊臣秀長の人生に憧れた。彼はインタビューで、「秀長のようにいつも裏で必ず守ってくれる存在があったからこそ、(豊臣秀吉は)天下が取れたと思う」と語った。菅総裁の側近も「昔から幹事長や官房長官をやりたいと言っていた」とし、「ナンバー2に徹する姿勢で、信頼関係を築いている」と伝えた。  特に官僚社会を掌握し、ナンバー1を補佐することに長けていた。安倍政権の弊害の一つである「忖度」(官僚たちが自ら政権の顔色をうかがう文化)の中心にも彼がいる。2014年5月に内閣人事局を設置し、審議官以上の約600人の高官の人事権を首相官邸が握るようにした。「縦割り行政をなくす」という名分を掲げたが、不正腐敗を隠して首相を引き立たせる政策にだけ重点を置いているという批判の声も上がった。「忖度」が2017年の「今年の流行語大賞」で年間大賞を受賞するほどだった。菅総裁は「基本的に方向性は政治が決める」とし、人事で官僚組織を動かすのが「責任政治」だと主張した。  大衆が好む政策を推進する“ポピュリスト”の顔も併せ持っている。高速道路通行料やNHK放送受信料引き下げに続き、携帯電話料金の40%引き下げも主張している。中島岳志・東京工業大学教授は著書『自民党 価値とリスクのマトリクス』で「菅氏の進める政策は大衆の欲望に迎合するものが多い」とし、「米軍基地の移転に反対する沖縄県民にディズニーランドの誘致を提案するなど、大衆迎合的な性向が強い」と指摘した。  ナンバー2からナンバー1に上り詰めた彼が解決しなければならない課題も多い。菅総裁は派閥の力を結集して勝利した。自民党内の7つの派閥のうち5つが支持を明らかにし、総裁に続き首相まで早くも確定した。水面下ではすでに内閣や党の主要ポストをめぐって派閥の主導権争いが始まっている。党内の基盤が弱い彼が派閥とどのようにバランスを取るかが“政権の課題”になるとみられる。  これまでナンバー2として対応してきたため、日本をどのように率いていくのが、“指導者”としてのビジョンと政策も脆弱だ。 経済や外交・安保など主要政策について「安倍政権を継承する」と述べるだけで、独自の政策として挙げたのはアナログ式の業務慣行改善のための「デジタル庁」の設立ぐらいだ。日本内外から「安倍政権シーズン2」が始まったという皮肉が聞こえるのもそのためだ。  韓日関係も、このような側面で大きな変化を期待するのは難しいものと見られる。菅総裁は強制動員被害者賠償問題をめぐる韓日対立に関し、日本のメディアとのインタビューで「韓国が国際法を違反している」「1965年韓日請求権協定が日韓関係の基本」と述べ、安倍政権の立場を繰り返した。  菅総裁の任期は安倍首相の残りの任期の1年だが、衆議院を解散して早期総選挙を実施するという見通しが優勢だ。菅総裁にとっては、国民全体を代表する正統性を確保し、党内基盤も確実に固めるためにも、総選挙での勝利が必要だ。メディアと政界の力で菅総裁の支持率が急上昇したのも「10月総選挙説」の一つの理由だ。しかし菅総裁は同日、総裁選で勝利した後の初記者会見で「新型コロナ問題を収束してほしいということと、経済を再生させてほしいというのが、国民の大きな声だ」とし、「専門家の見方が完全に下火になってきたということでなければ、(解散総選挙は)なかなか難しいのではないかと思う」と慎重な態度を示した。 キム・ソヨン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

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