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都知事選を前に…話題の映画について配信イベント「図書館は最後に残された聖域」

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オリコン

 映像プロジェクト「Choose Life Project」と、7月17日公開の映画『パブリック 図書館の奇跡』の共同企画が、28日に開催された。 【場面カット】7月17日公開の映画『パブリック 図書館の奇跡』  同作は、アメリカのシンシナティで、記録的な大寒波の到来によって命の危険を感じたホームレスの集団が図書館のワンフロアを占拠。突如としてぼっ発した、大騒動に巻き込まれたひとりの図書館員の奮闘を軸に、予測不可能にして笑いと涙たっぷりのストーリーが展開する、いくつもの社会的な問題提起をはらみながらも、温かな人間味に満ちあふれた感動作となっている。  都知事選が7月5日に迫る今、これまでネット上で映像を通じて、選挙へ行こうなどの呼びかけや、政治に関心のない若者たちにニュースに関心を持ってもらえるようなきっかけづくりなどを行なってきた「Choose Life Project」と共同で、本作の問いかけから考える、日本の「公共」や「声をあげる意味」について、ゲストをお迎えしてともに考える配信イベントを実施。  フォトジャーナリストの安田菜津紀氏が司会を務め、一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事の稲葉剛氏、法政大学キャリアデザイン学部教授の上西充子氏、哲学者で東京外国語大学名誉教授の西谷修氏が参加した。  路上生活の人々への支援活動を行う稲葉氏は「実際に路上生活をされている方々から、コロナ禍で図書館が閉まってしまい困っているという声を聞いている。また、最近、お金を払わずにいてもいい場所というところがなくなってきている。図書館は最後に残された聖域のような場所。「お金がないと居てはいけない」という都市になっていることの裏返しになっている」と指摘。  新宿西口など街頭で〈国会パブリックビューイング〉を開催する上西氏は、タイトルにもなっている〈パブリック〉という言葉について考察を行い「公共の場所ってなんだろう? 国や県が作るのではなくて、人々が主体のはず。『管理された空間』という風に思ってしまっていると『許可を得ているんですか?』という質問が出る。考えてみれば、NHKも公共放送のはずが国営放送になっている」「声をあげようとすると、自分勝手だとつぶそうとする人がいる。自分たちは我慢しているのに、と。しかし、本来は我慢しなくてもいいはずで、日頃から言いたいことを言える社会だったら、そういう抑圧も軽くなる。もっとものを言いやすくなる」と語った。  思想史を専門とする西谷氏は、〈パブリック〉という概念について、日本特有の理解についても指摘。「西洋で起こった〈パブリック〉というものを日本に導入したときに『公』と訳した。漢字のつくりで言えば、廟(びょう)の中に人がいる=聖域でお参りする、つまり朝廷を指す意味合いが強い。『お上』みたいな。その時点から、本来の意味とは乖離が生まれていた。『私の自由があり、私の所有があり、そして社会はない。持たないあなたが悪い』。それは封建社会と同じ。人間と社会の関係、人間と人間の関係が封建社会と同じになっている。だから公共というとお上のことでしょ、となる」と力説した。  イベントの様子は、後日アーカイブとして公開される予定となっている。

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