ロッテ指揮官がドラ1佐々木の足を引っ張った新外国人に堪忍袋の緒が切れた
ロッテのドラフト1位の佐々木千隼(22)が20日、ZOZOマリンのソフトバンク戦でプロ2度目の先発マウンドを踏んだが、新外国人、ジミー・パラデス(28)のまさかの“バンザイ拙守”に足を引っ張られ7回5安打5奪三振1失点で負け投手となった。不振のパラデスを我慢して起用してきた伊東監督も、ついに堪忍袋の緒が切れて、2軍落ちを決断した。佐々木という明るい材料が見つかったが、チーム打率が.185まで落ちた打線は、25イニング無得点。泥沼の4連敗となった。 「ああー」とも「ええー」ともなんとも言えぬ声がZOZOマリンを包む。 5回二死一塁から中村のレフトを襲った打球を、一瞬、余裕を持って待ち受けたパラデスが目測を誤って、まさかのバンザイ。伸ばしたグローブの上をかするようにして打球が超えていったのだ。 記録はタイムリー二塁打となったが、完全なボーンヘッド。プロ2度目の先発となった佐々木は、ここまでバンデンハークと堂々と渡りあって無失点ピッチングを続けていたが、味方の痛恨のミスで0-1と均衡を破られることになったのである。 試合後、伊東監督も「久しぶりなのにいいピッチングをした。何とか勝ちをつけてあげたかったが、ひとつのプレーでこんな形になってしまう」と、佐々木をかばった。 ドラフト1位は、気落ちすることなく、続く今宮をカーブでスイングアウト。6回、7回も走者を出しながらも、粘り強く無失点で切り抜けていくが、打線の援護は最後までなかった。 「前回の登板よりストレートの質、スピードなどは良かったと思うのですが、まだまだ修正、反省、課題があるので、しっかり次の登板までに直していきたい」 佐々木はそうコメントを残したが、伊東監督は「スライダーの曲がりもよかった。けん制なども含めてゲームの中で対応力、違う一面を見せてくれた。次回が楽しみ」と絶賛した。 途中、カーブかスライダーが抜ける場面もあったが、基本的にリリースポイントが打者に近く、ボールが安定していた。キレのいいスライダー、シンカーという変化球が、ほとんど低めに集まった。左打者へのシュート回転のボールが課題だったが、それも目立たなかった。クイックができないのが欠点で、3回に本多、4回には柳田に盗塁を許すが、柳田のそれはタイミングはアウトだった。伊東監督の言うように徐々に修正できるようになっている。 またサイドからリリースするために、ボールの軌道が独特で、あの球界屈指のバットコントロール力を持つ内川でさえ3打席ノーヒット。初顔合わせでは戸惑った。まだ日ハム戦に続いて2試合目だが、ひと回りするまでは、対戦相手は間違いなく苦労しそう。外れ1位で5球団が競合した大物だけのことはある。