アルコールジェルはジュエリーの敵? 対処法と正しい洗い方をプロが解説
新型コロナウイルスの感染を防ぐため、アルコールジェルの使用が日常の一部として溶け込んだ。しかし、消毒・抗菌効果を持つアルコールジェルは、ジュエリーにとって脅威となる可能性もある。フランス版「エル」の取材に答えた宝石職人が、注意すべきジュエリーの種類とお手入れ方法を解説!
私たちの習慣は2020年に大きく変わった。ソーシャルディスタンスの確保や強制的なマスクの着用に加え、定期的な手洗いとアルコールジェルの使用によって衛生面は厳格になっている。
フランスの新聞「Le Parisien」では、除菌のためには1週間に100~150mlのアルコールジェルを持ち運ぶ必要があるが、実際の使用量ははるかに少ないと指摘した。一方、店先で入店時に備え付けのアルコールジェルを使用することは、多くの人に受け入れられた新たな習慣だと伝えている。
アルコールジェルには、細菌やウイルスを最大100%除去するために、少なくても60%のアルコールが含まれている。それはすなわち、手にアルコールジェルをつけるたびに、装着しているジュエリーにも塗っていることとなる。ジュエリーの品質を守るために、アルコールジェルの使用において注意すべき点は?
ジュエリーをアルコール消毒してもいいの?
【1】金属・貴石はアルコールの影響を受けない ジュエリーを偏愛しているが故の必要以上の恐怖や不安によって、手洗いとアルコールジェルの使用を控えるのは理にかなっていない。お気に入りのジュエリーを保護するための基本的な知識をもっておけば大丈夫! ジュエリーブランド「Lie(e)」の宝石職人カンは、すべての素材がアルコールジェルの影響を受けるわけではないと説明する。「ゴールドであれシルバーであれ、地金のジュエリーは問題ありません。また、ダイヤモンドやその他貴石も大丈夫。ジェルに含まれるアルコールは、金属、ダイヤモンド、その他の貴石を攻撃しないのです」
【2】パール、オパール、サンゴはアルコールNG 一方、上記以外の金属や宝石は、より敏感になる可能性がある。「本当に懸念を引き起こす可能性があるのは、パールなどの壊れやすい素材です。アルコールジェルのみならず、真珠のネックレスを着けているときは香水を吹きかけることも避けるべきです。アルコールは表面仕上げを攻撃する傾向があるため。オパール、サンゴのように液体を吸収する石も少し注意が必要です。乾燥させることで大きな腐食には繋がりませんが、避ける方が無難です」とカンは解説する。