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4月FOMCのMinutes-No less plausible

配信

NRI研究員の時事解説

経済の評価

FOMCメンバーは、Covid-19問題が家計の支出とマインドの双方を顕著に低下させている点を確認し、その影響がホテル、ガソリンスタンド、エアライン、レストラン、劇場といった特定の部門に集中している点を指摘した。加えて、今後の雇用や既存借入れの返済に関する不安が拡大しつつあり、予備的貯蓄の積み上げに繋がるとの見方を示した。 この間、失業率は戦後最高の水準に上昇する可能性が高いとし、一時帰休やレイオフが既に拡大しつつあるとした。さらに、失業の長期化がスキルの低下や労働市場からの退出に繋がることに懸念を示し、こうした影響が低所得層に集中している点に留意した。 企業についても、サプライチェーンの毀損と需要の低迷で顕著な影響を受けているとし、地区連銀の総裁からは、雇用の削減や設備投資の先送りの動きが指摘された。この結果、新規の資金借入れのほか、返済猶予や助成金等に対するニーズが高まっており、特に中小企業では、PPPローン等の支援に拘らず、手元資金の乏しさや代替的資金手段の不足、銀行による与信スタンスのタイト化によって厳しい状態にあるとの認識を示した。 今後の米国経済について、執行部は前回(3月)のFOMCに比べて下方修正した見通しを提示した。それによれば、本年後半には実質GDP成長率や失業率が顕著に改善するが、年末時点でも完全な改善は見込めず、物価も失業率の上昇とエネルギー価格の顕著な下落によって軟化するとしている。 もっとも、このメインシナリオには大きな不確実性があり、過去の景気循環に関する経験則も有用でないとして、リスクシナリオが顕現化する可能性も低くないと指摘した。その下では、第二波の感染と経済活動の抑制が本年末頃に生じ、実質GDPと失業率、物価等に悪化圧力が再び生ずることになる。 FOMCメンバーも、今後の経済に関する不確実性の高さを指摘した。多くの(a number of)メンバーは、感染拡大の再発リスクが高いとの認識を示し、経済活動の抑制やサプライチェーンの毀損、企業や所得の喪失などによって相当な期間にわたって経済活動が停滞する恐れに懸念を示した。 一方で、感染が今後数か月間に相当に抑制され、企業や家計が慎重なマインドを変えることができれば、米国経済は予想より早く回復するとの見方も示した。併せて、米国経済にとっては、新興国を中心とする海外からの影響も大きいとの見方が示された。 より長期的な視点からFOMCメンバーは、失業者がスキルや育児、介護の機会の喪失などによって、労働市場から退出するリスクを指摘した。また、企業に関しても、感染防止策による生産性低下や、投資スタンスの変化、ビジネスモデルの調整や中小企業の退出等による影響に留意を示した。