丹羽宇一郎/「働き方改革」が日本をダメにする――文藝春秋特選記事【全文公開】
仕事とは、すなわち人生そのもの――私は半世紀以上、この信念でやってきました。そしてそれは今も間違った考えだとは思っていません。 仕事には喜びも哀しみも、汗も涙も詰まっています。ときには上司から「このバカ野郎!」と叱責されることもあるでしょう。そうした厳しい経験を通じて自分をコントロールし、相手に意思をはっきり伝える交渉力を身に付ける。失敗もあるでしょうが、成功したときには大きな喜びを手にすることができます。 激しく仕事をした人間は大きく成長します。でも中途半端な仕事をしていたら人は成長しない――だから意欲のある人間は、何時間でも働いたらいいと思います。それは会社のためだけではなく、その人のためでもあるからです。
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丹羽 宇一郎/文藝春秋 2019年6月号