埼玉県職員の給与…民間を下回っている 平均1万円引き上げを勧告 県人事委員会が知事と県議会議長へ 引き上げ額が1万円を超えるのは32年ぶり
埼玉県人事委員会(池本誠司委員長)は17日、県職員の給与と特別給(ボーナス)が民間を下回っているとして、月給を平均1万568円(2・79%)、ボーナスを年に0・10月分引き上げるよう大野元裕知事と斉藤邦明県議会議長に勧告した。給与とボーナスの引き上げは3年連続で、人事委によると、引き上げ額が1万円を超えるのは1992年以来32年ぶり。 待遇に不満、市職員が大量退職 22年度35人、5年で100人超 給与、県内市町村平均下回る
人事委は報告書で「職員の能力や意欲を最大限引き出して、組織全体のパフォーマンスを引き出していくことが極めて重要。新たな採用手法の導入や、職務環境の整備などの積極的な推進が必要」と、人材確保と離職対策の重要性を指摘した。 人事委が県内の民間事業所(事業所規模50人以上)474カ所を対象に調査を行い、新卒を除く今年4月分の給与を比較したところ、民間が県職員を1万589円(2・79%)上回った。ボーナスの年間支給月数は県職員の4・50月に対し、民間が4・59月だった。 月給の引き上げの対象は知事部局、教育委員会、警察本部などの5万4955人。引き上げに伴い、県職員の給与のための予算は約139億円増える。 県人事委員会事務局の唐橋竜一事務局長は人材確保のための試験制度の見直しについて、「(能力や適性を)多面的に見ていくことと、受験希望者の負担を減らすことを両立させたい」と述べた。