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話題の飲料水の「pH値」は、本当にこだわるべきなのか

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ハーパーズ バザー・オンライン

水のpH値って?

「水は一日2リットル以上飲むべき」とか「〇〇の成分が含まれた水がいい」とか、水ブームはなぜか定期的にやって来る。最近話題なのが、「人間のpH値(=pH7.4前後)に近い水は体内吸収されやすく、体に良い働きをもたらす」という説だ。女性タレントが火をつけ、女優やモデルたちの間で急速に広まっている。 【写真】知っておこう、肌に良くないドリンク、ワースト7 「pH値は一般的に“ペーハー値”と言われますが、最近は“ピーエイチ値”と読みます。水溶液中の水素イオンの濃度を表す数値で0から14まであり、値が小さいほど酸性が強いことを意味します。人間の体液のpH値は話題になっているとおり、pH7.3~7.4。ほぼ真ん中の値なので、ほぼ中性(わずかにアルカリ性)ということになりますね。ここまでは科学的に間違っていないのですが、人間の体液と同じpH値の水だと吸収されやすく、体に優しく、良い働きをするということはありません」とは、『水の常識 ウソホント77』などの著者で、理科や科学技術を専門とする左巻健男先生。 前述のとおり、pH値とは水素イオンの濃度を示すもので、吸収力には関係しない。吸収力に着目するなら、影響するのは「浸透圧」だ。スポーツ飲料などでよく聞く「アイソトニック飲料」がそれにあたる。こちらはpH値ではなく、塩分や糖質などが体液に近い浸透圧で作られ、それらがバランスよく吸収される仕組みだ。

人間の体にはもともと、体内でpH値をちょうどいいバランスに調節する機能が備わっている

「pH値が0に近いものは酸性が強く人体には有害なので飲めませんが、レモン水や炭酸水などは酸性なのでpH値は低くなります。でも、飲んだものが直接体内に吸収されてpH値に影響することはありません。人間の体にはもともと、体内でpH値をちょうどいいバランスに調節する機能が備わっています」

一日2リットル以上は飲み過ぎ?

「さらに言えば、水を口に含んで飲むとほぼ中性の唾液が混ざり、胃にたどり着くと強い酸性の“胃酸”(pH1.5~2.0)と混ざり合います。その先の小腸(一部大腸)で吸収され、体内で調節されるのです。つまり、体液と同じpH値のものを飲んでも意味はないのです。水に関する健康情報の多くは、科学的根拠がないものと思うべき。健康情報に惑わされず、自分がおいしいと思うものを飲む。また、食べ物からも一日に1リットル以上の水を摂っているので、普通の生活で2リットル以上の水を飲むのは、飲み過ぎの可能性がありますね」

Text: Manabi Ito From Harper's BAZAAR April

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