アメリカン・スポーツカーの名車として名高い、2代目コルベットC2型とは?
ヨーロッパのライトウェイトスポーツカーに対抗する形で登場し、アメリカンスポーツカーの金字塔として確固たる地位を確立したコルベットC2。コルベット・スティングレイの名前の元祖であり、レーサーをルーツに持つC2 の魅力を紐解く。
「C2」とは?レーサーをルーツに持つ、元祖コルベット・スティングレイ。
初代コルベットがデビューしたのは1953年。当時アメリカのクルマは質実剛健な独自の作りを持ってはいたが、ことスポーツカーというジャンルを存在せず、その意味ではヨーロッパに遅れを取っていた。そして、ヨーロッパの2シーターライトウェイトスポーツを意識してシボレーから誕生したのがコルベットというわけだ。 しかし、当初のコルベットの心臓は直列6気筒エンジンのみ。ボディは当時最先端のFRPを使用するなど惜しみない技術が投入されたにも関わらずスペックの非力さは否めなかった。’55年にようやくシボレーでスモールブロックV8が登場するのと同時にコルベットにもV8を搭載。その後、歴代コルベットはいつもその時代のシボレーの最高峰のエンジンを搭載し続けている。 C1時代から積極的にレースに参戦し、レース用のコンセプトカーが生産された。その中でもゾーラ・アーカス・ダントフというメカニックが1959年に手がけた『XP‐87 スティングレイ・レーサー』が直接的なデザインのルーツとなり、’63年にC2が誕生。 オープンモデルのみのC1に対して、C2ではクローズドボディのクーペのラインナップが加えられ、ボディデザインも空気抵抗を意識したシャープなデザインへと生まれ変わった。レーサーの血統を受け継ぎ、名実共にアメリカ生まれの純血なスポーツカーとしての地位を確立したのである。
C2の魅力とは? 取材車両「1963 Chevrolet Corvette C2“Stingray”」のディテールから迫ってみよう。
C2はアメリカ車としては珍しく、1962年のパリ・サロンで初お披露目されたが、デビューの舞台にヨーロッパの最先端のスポーツカーがひしめき合う場所を選んだことにもシボレーの自信が伺える。 この取材車両のC2は輸入新規の販売車両でファーストイヤーの’63年式。風を感じながら優雅に街中をクルーズするならやっぱりコンバーチブルは男の永遠の憧れだ。ボディのペイントは純正色の“デイトナブルー” でリペイントされている。 さらに、エンジンはGM車の新品の350クレートモーターにスワップされオーバーホール済みのATミッションを搭載しているから、ヴィンテージ初心者でも安心して乗ることができる抜群のコンディションだ。