自宅待機中のJリーガーは今何を…浦和レッズCB岩波拓也は14年前の伝説ゲーム映像に学ぶ
レッズの中盤には、藤枝東高から加入して5年目の長谷部誠(現アイントラハト・フランフルト)が君臨。昨シーズン限りで引退したDF田中マルクス闘莉王に加えて、岩波を「みなさんがすごく若い」と驚かせたDF内舘秀樹(現ジュニアユース監督)、MF平川忠亮(現トップチームコーチ)といま現在はスタッフを担う、レッズひと筋でプレーしたバンディエラたちも先発していた。 NHK総合で生中継された大一番は、逆転優勝への執念を怒涛の猛攻撃に変えたガンバが前半21分に先制する。緊張感に支配されていたレッズを、スタンドを揺るがすほどの大声援で鼓舞して雄々しく蘇らせたのは、当時のJ1最多記録を更新する6万2241人を数えた大観衆だった。 6分後にFWポンテが同点弾を決めると、前半44分、後半14分にはガンバのFWマグノ・アウベスと得点王を分け合ったFWワシントンが連続ゴール。瞬く間に逆転すると、ガンバの反撃を1ゴールに抑えてタイムアップの瞬間を迎え、待ち焦がれた至福の瞬間をファンやサポーターと共有した。 「先発メンバーだけでなく、ベンチのメンバーを見ても本当にすごい選手たちが並んでいましたよね」 途中から投入されたFW田中達也(現アルビレックス新潟)、FW岡野雅行(現ガイナーレ鳥取代表取締役GM)、DF坪井慶介(昨シーズン限りで引退)だけではない。FW永井雄一郎(現神奈川県2部はやぶさイレブン)、そしてMF小野伸二(現FC琉球)が控えていた陣容に再び驚きながら、試合映像を通して伝わってきたスタジアムの熱量に魅せられたと岩波は振り返っている。 「あれだけの人数が入ったなかで試合ができるのは、率直にうらやましいと思いました。ああいう舞台でプレーしているのがレッズらしいとも」 2006シーズンは最終的にリーグ戦で総観客数77万4749人、1試合平均で4万5573人を記録。熱気は翌シーズンのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)でさらに高まり、2008シーズンには総観客数が歴代最多の80万9353人に到達し、1試合平均も4万7609人を数えている。