スレッズで初「発信者情報開示」命じる決定、担当弁護士「今後増える可能性も」 東京地裁
アメリカのMeta(メタ)社が運営するSNS「Threads(スレッズ)」について、東京地裁が、他人になりすまして投稿した人の情報を開示するようメタ社に命じる決定を出したことがわかった。決定は12月4日付。 X(旧ツイッター)やFacebook(フェイスブック)などで発信者情報の開示決定が出ることはこれまでにもあったが、この事件を扱った清水陽平弁護士によると、メタ社の代理人がスレッズの案件は初めてだと認めたという。 ●スレッズで他人の写真を無断利用 清水弁護士によると、今回問題となったのは、スレッズで他人の写真を勝手に使用してなりすましのような投稿だったという。被害にあった人から依頼を受けた清水弁護士が発信者の情報を開示するよう求めていた。 東京地裁の倉重龍輔裁判官は12月4日、問題の投稿をしたユーザーの電話番号やメールアドレス、ログイン情報などを開示するようメタ社に命じる決定を出した。 これまでスレッズに関する発信者情報開示決定がなかったことについて、清水弁護士は「認められてこなかったのではなく、単に案件がなかっただけではないか」と説明する。 ●インスタのアカウントが必要もログイン情報は別に管理 スレッズは、同じくメタ社が運営するSNS「Instagram(インスタグラム)」のアカウントがないと利用できないため、スレッズというサービスに固有の登録情報がないという。 ただ、スレッズやインスタグラムを利用する場合、サービスにログインするタイミングはそれぞれ別になることがありうるため、IPアドレスなどログイン時の情報は別々に管理されているという。 今回の決定を受け、清水弁護士は次のように述べた。 「フェイスブックやインスタグラムでの中傷は少ないですが、スレッズはX的な立ち位置で、トラブルも相対的に多くなると思われるため、今後、同様のケースが増える可能性はあるかもしれません」
弁護士ドットコムニュース編集部