ミラーレスカメラ好調。キヤノン中間決算、増収増益を達成。配当金も増額へ
キヤノン株式会社 <7751> (以下「同社」という)が、2023年12月期第2四半期連結決算(対象期間:2023年1月1日~2023年6月30日)を発表した。 第2四半期累計期間(上期)は前年同期比で増収増益となった。 【図表6枚】キヤノンの業績、セグメント分析、配当をチェック 当四半期は、堅調な需要に加えてカメラの新製品が好調であり、また円安影響も売上高増に寄与した。 売上総利益率(粗利率)は、前年同期比+1.0%の47.5%であった。価格改定(=商品価格の値上げ)の浸透、半導体不足や物流逼迫が解消されコストを削減できたこと、円安による増益効果、の3つが功を奏した結果と言える。
キヤノンの営業利益
当第3四半期期間(4月~6月)の営業費用は、人員増および販売関連費用を増加させたことに加え、円安による外貨建ての営業関連費用の増加も影響し、前年同期比+7.4%となった。 また、前年同期は、コロナ後のレーザープリンター供給回復により、消耗品売上が大きく伸びた。 その結果、当第3四半期期間(4月~6月)の営業利益は、前年同期比▲6.3%となり3ヶ月では減益となった。 一方、当第2四半期累計期間(上期)の営業利益は、前年同期比+1.2%で増益となった。これは、第1四半期期間(1月~3月)において、そもそも売上高をより計上できたこと、効率性を重視しコスト削減策を実施したことが要因と言えよう。 利益額・利益率ともに当第1四半期を上回り、収益性は着実に向上している。
キヤノンのセグメント分析
「プリンティング事業」、「イメージング事業」、「メディカル事業」の3セグメント合計売上高は同社売上高の90.0%を占める。以下では、3セグメントの分析を行う。 キヤノンのプリンティング事業 プリンティング事業は、オフィス複合機が前期から大きく販売台数を伸ばして増収となったが、レーザープリンターの売上減少により、減益となった。 同社のオフィス複合機は、画質、印刷スピード、耐久性に優れておりオフィスのメインプリンティング機器としての需要は底堅いものがある。販売も堅調であり、供給不足であった前期と比べ大きく売上高を伸ばした。 一方で、レーザープリンターは本体・消耗品ともに減収となった。前期下期以降の市況悪化から出荷調整を継続していること、また、前期は製品供給の回復局面にあり売上の水準が高かったことが要因と言える。 キヤノンのイメージング事業 イメージングは、ミラーレスカメラの新製品が売上を伸ばし、ネットワークカメラも需要拡大を捉えて成長を続け、増収・増益を達成し、利益率も高い水準を維持しています。 ミラーレスカメラは、2022年~2023年にかけて、ハイアマチュア向けからエントリークラスまで6機種のカメラ(「EOS R50」、「EOS R100」など)を発売し、EOS Rシリーズのラインアップ強化を図ってきた。 当第2四半期は、新製品の販売が好調に推移し、また本体と併せてRFレンズの販売台数も増えたことで増収となった。 ネットワークカメラは、セキュリティからマーケティング・生産工程管理など、用途を広げながら拡大を継続している。増加する需要を確実に取り込むため、同社では多様化する用途や使用場所に対応し、製品ラインアップの拡充を進めた結果、当第2四半期も増収を達成した。 キヤノンのメディカル事業 メディカルは、各画像診断装置が売上を伸ばし増収となりましたが、販売要員の増強や、M&A・事業取得に伴う費用など、成長投資が先行して発生し、減益となりました。 当第2四半期は、納入先医療機関の都合により、大型装置の据付けが一部後ろ倒しになったものの、欧州の超音波診断装置を始め、各装置が前期から売上を伸ばし、+6.7%の増収となった。