工夫次第で差がつく「教育費の節約」 …大学4年間、下宿だと国立でも800万円超という現実
ファミリー世帯の抱えるお金の不安の一つが「教育費」。子どもにはできるだけ良い教育を受けさせたいけれど、コロナ禍による収入減少や先行き不安のために、教育費もできれば節約したいと考える人は少なくないと思います。 「自宅・下宿別 大学4年間の教育費総額」の図表を見る 親世代の頃に比べて新たな制度やサービスも生まれ、教育にかけるお金も日々変化しつつあります。今回は教育費を我慢し過ぎずに節約するための要点は何かを考えます。
大学の学費や仕送り費用などは早めに計画を
教育費の中でも比重が大きいのが大学の学費と仕送り費用です。こうした最も大きな金額が必要となる部分を明確にし、計画を立てるだけでも教育費への不安を減らすことができるでしょう。 ちなみに、4年間でかかる大学生の教育費総額の目安を(平成26・27・28年度)、自宅と下宿に分けると図表1のようになります(出所:「大学生にかかる教育費はどれくらい?」 公益社団法人 生命保険文化センター)。 仮に月7万円を4年間仕送りすると、それだけで336万円。「自宅か、下宿か」の違いで、私立文系の4年間の教育費総額の半分になるほどの金額の差があるわけです。 そのため、大学は自宅で通える範囲にするか、下宿するかは、子どもが中学生から高校生になる時期になったら、早めに話し合いをしておくといいでしょう。 まだ子どもが小さい場合は、通える範囲に大学が複数ある地域に引っ越しを検討するのも一つ。大学へ自宅通学となると都市部のことが多いですが、都心から少し離れれば家賃や物価も下がります。子どもの人数と仕送り費用、交通費や家賃などの生活費用を天秤にかけて検討することが必要です。 2020年には大学無償化(高等教育無償化)制度が始まりました。学力、収入、資産などの基準で対象となるかどうか、どのくらいの支援額を得られるのかが異なりますので、自分の家庭の場合をチェックしておくといいでしょう。 また、今は奨学金を借りることは珍しくなく、学校独自の給付型奨学金や授業料減免制度なども昔に比べて豊富です。どの大学にどのような制度があるか、早めに調べておくことも大切です。