大幅改良、うっかり見逃してない? 〈三菱〉アウトランダーPHEV
海へ、山へ。行動範囲の広い『Safari Online』読者諸兄にとって“タフでツカエル四駆モデル選び”はなかなか由々しき問題であると思う。タフに使いたいからこそお値段もそれなりであってほしいし、レジャーシーンではなるべく多くの友人も乗せたい。さらに走破性にも優れて環境に優しく、そして燃費もよければ最高。そうそう、街でも乗るからインテリアもしっかりゴージャスなほうがいい、な~んて欲張っちゃったらもう、そんなの軽~くお値段は1000万円オーバー!? いえいえ、実はこのテがあるんです。ズバリ〈三菱〉アウトランダーPHEVだ。
この10月末に新型が発表されていたコチラ。外観はほぼ変更なく、大幅改良という位置づけなだけに、うっかり見逃していた人も多いのでは? しかし実はその裏に、目の肥えた“クルマニア”にこそオススメしたい事情がある。
室内アレンジはこ~んな感じ!
このアウトランダーPHEV、初代発売当時はEV補助金や現地の燃料費の高騰も手伝って、実は欧州でバカ売れしたという過去を持つ実力車だった。しかしながら諸般の事情で、今の世代のカオ(デザイン)になった旧モデルからは、欧州での販売を一時中断していた。 しかし、この新型からは再び欧州での販売を開始するのだという。欧州での販売を視野に入れたときに、必ず超えなければいけない壁。それは速度無制限区間を含む、世界に名高いドイツの高速距離“アウトバーン”での走破性。そのために加えた改良は、実に〈三菱〉らしい実直なものだった。 まずバッテリー容量を約10%拡大し、20kWhから22.7kWhに。これによってEV航続距離のみで上級グレード・その他グレードともに100㎞を越える頼り甲斐が生まれた。それに加え、バッテリー出力のみで実に約60%、エンジンも加えたシステム総合出力では約20%を向上させて、みっちりしたパワフルなトルクを実現している。 この出力向上に伴って、エンジンフードは浮きやバタつきを抑えるようなエアロダイナミクスを意識した形状に。さらに前後バンパーやスキッドプレートもより立体的になり、チタニウムグレーの色をまとわせて、スタイリッシュな先進感を持たせている。また、同社の誇る四輪駆動制御システム、S-AWCのチューニングを最適化。さらに電動ステアリング、サスペンションのセッティング、そして専用のタイヤ開発までも同時に行って、アウトバーンを含む高速道路だけでなく、悪路走破性とも網羅したというのだから実にラリー由来の〈三菱〉らしい。