眞島秀和、吉高由里子が岩松了作品に初参加! 映画の製作現場を舞台に繰り広げられる愛憎劇
眞島秀和、吉高由里子、秋山菜津子らが出演する岩松了の新作 M&Oplaysプロデュース『クランク・イン!』が10月7日(金)~30日(日)東京・本多劇場、その後静岡、大阪、愛知にて上演されることが決定した。 日本のチェーホフと呼ばれ、人間の内部で無意識に動く感情を説明的なせりふを排し、物語の核を隠しながらもリアルに生々しく描き出すことに定評のある劇作家であり演出家、岩松了。その新作となる本作は、ある映画監督の妻と、その監督の愛人であった女優という、かつてひとりの男をめぐって憎みあったふたりが、時を経て共感とも友情ともとれる感情を抱いていく様を、ダイアローグのような朗読劇のような、モノローグで築かれる回想ドラマとして描き評判を呼んだ2020年上演の『そして春になった』を下敷きに、映画製作の現場で繰り広げる、ある新人女優の死をめぐる映画監督と女優たちの愛憎と葛藤を悲喜劇として描くという。 女たちに追いつめられる映画監督で、本作唯一の男性出演者には、確かな演技力でシリアスからコメディまで多彩に演じ分ける眞島秀和が岩松作品に初参加。強烈な存在感を放つ女優ジュンには、役柄同様に数多くの映像作品で様々な表情を魅せる、こちらも岩松作品初参加の吉高由里子。ジュンの存在に追い込まれていく主演女優には、これまで数多くの演劇賞を受賞してきたベテラン秋山菜津子。さらに、伊勢志摩、富山えり子、石橋穂乃香と個性派キャストが結集した。 <あらすじ> ひとりの新人女優・堀美晴が亡くなった。そのために暗礁に乗り上げていた映画の製作が、全員の「この映画を完成させなければ!」という思いで、クランクインの時を迎えた。 堀美晴の葬儀は撮影所内でごく内々にすませられた。監督の別荘の湖に溺れて死んだ事故となっていたが、真相はよくわからないままだったのだ。事故ということになっていたが、彼女が事故当時もっていたはずのお気に入りだったポシェットが見つからないことなど、本当に事故なのか、あやふやな状況だった。しかし、映画を完成させるために、動き出さなければならない。そんな状況下での撮影だったため、監督・並木顕之(眞島秀和)の殺気だった緊張感に満ちた指揮ぶりは常軌を逸していると言ってもよかったろう。今や飛ぶ鳥を落とす勢いの主演女優・羽田香織(秋山菜津子)にも容赦ないダメ出しが飛ぶ。そんな中、プロデューサーの紹介でそれなりの役に抜擢された女優ジュン(吉高由里子)が徐々に存在感を増してくる。 撮影のために世間から隔絶された場所で、主演女優、マネージャー(富山えり子)、ベテラン女優(伊勢志摩)、若手女優(石橋穂乃香)、それぞれの思惑と、監督への愛憎が次第に彼を追い詰めてゆく――。 堀美晴は殺されたのか、だとしたら誰が彼女を殺したのか、、、映画の現場は次第に混沌としていき、そしてやがて悲劇的な結末を迎える―――。