実力に勝る筑陽学園が8発完勝
5月28日、福岡フットボールセンターで行われた令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)福岡予選4回戦で筑紫と筑陽学園が対戦。実力に勝る筑陽学園は前半の11分に先制点を挙げると、その後も攻撃の手を緩めずに着々と加点。筑紫に反撃の機会を与えないまま8-0で完勝した。 【フォトギャラリー】筑紫 vs 筑陽学園 立ち上がりから筑陽学園が実力を発揮した試合だった。まずシンプルに前線にボールを入れて高い地点で起点を作ると、そこからサイドへ展開。両サイドからグイグイと押し上げて筑紫ゴールに襲い掛かる。そして11分。CKのチャンスに森下凛人が頭で合わせて先制点を奪うと、ここから攻撃陣が爆発する。 その中心にいたのは田山芳規。高いテクニックとスピードを活かして筑紫の守備網を切り裂いていく。そして14分、クロスボールに頭で合わせて2点目を奪うと、18分の杉森隼人の3点目をアシスト。さらに2分後には自ら仕掛けて相手のオウンゴールを誘い、28分には自らのシュートを筑紫GK藤野悟が弾いたところを押し込んで5点目。筑陽学園が前半で奪った5得点のうち4得点に絡む活躍を見せる。 筑陽学園が見せたのは攻撃力だけではない。中盤の守備でも筑紫を圧倒した。鋭い出足でボールに寄せると、デュエルを仕掛けてボールを奪取。そこから鋭く攻守を入れ替えて前へ出る。そんな筑陽学園の前に筑紫は攻撃の糸口を見つけることなく前半を終えた。 後半も筑陽学園は攻撃の手を緩めない。後半に魅せたのは強いフィジカルを活かして攻撃の起点となる杉森隼人だった。後半開始直後の1分。右サイドを突破した深松快吏の折り返しに右足を合わせて追加点を奪うと、後半5分にもまったく同じ形からゴールを奪ってハットトリックを達成。不動のエースFWとしての存在感を見せつけた。 そんな筑陽学園に対して、筑紫は右サイドにボールを集めて縦への突破に活路を見出そうとするが、筑陽学園の堅固な守備はこれを許さない。1対1の局面で筑紫を上回り、プレスを巧みに剥がし、プレッシャーをかわそうと蹴ってくる筑紫のロングボールに対しては、そのセカンドボールを拾って再び攻撃に転じる。やがて試合は筑陽学園のハーフコートゲームになっていく。 そして筑陽学園のとどめのゴールは後半の35分。佐藤秀途が右足でゴールネットを揺らして試合を締めくくった。県予選はシード校として4回戦からの出場だったが、1回戦から勝ち上がって勢いに乗る筑紫の挑戦を難なく跳ね返した筑陽学園の実力が印象に残る試合だった。 (文・写真=中倉一志)