【80年ぶり】恒星の爆発で“新生命”は生まれるのか 星の世界にある「命のバトンリレー」とは?
【3】大爆発して、空間に穴があく「ブラックホール」 太陽よりもとっても重たい(太陽の質量の40倍以上の)恒星の場合、大爆発のあとに中性子星よりもさらに密度の高いギュウギュウな状態になり、自分自身の重さを支えられなくなります。 そのあとどうなるのかというと、宇宙空間に穴があきます。これが「ブラックホール」です。前回の記事『ブラックホール」で“時が止まる”は本当なのか?』でもお伝えしたとおり、ブラックホールは謎の多い奇妙な天体なのですが、恒星の一生を考えると、「自然の摂理」として、ごくふつうに生まれてくるものだといえます。
大爆発による恒星の死には、「3つの役割」があります。 1つ目の役割は、「星のなかでつくられた元素を宇宙にばらまく」こと。このおかげで宇宙に炭素や酸素が行き渡ります。 2つ目の役割は、「爆発によって新しい元素をつくる」こと。中性子星と同じように、鉄より重い元素をつくり出します。 ガスを集めて星になり、新しい元素をつくっては死に際にばらまく……。恒星は元素を生み出すために生きる使命を持っているのかもしれません。
■星が死ぬことで、新たな星が生まれる 3つ目の役割は、「爆発の衝撃がまわりに広がり、新たな星が生まれるきっかけになる」ということ。 ガスが漂っているところに衝撃波が到達すると、ガスがギュッと集められ、「赤ちゃんの星」になることがあります。 花を咲かせて種を落とし、またどこかで花が咲くというような「命のバトンリレー」が、星の世界にもあるのです。 【星の死(超新星爆発)の3つの役割】 1 星のなかでつくられた元素を宇宙にばらまく
2 爆発によって新しい元素をつくる 3 爆発の衝撃が新しい星を生むきっかけになる 私たちが住む地球が属する太陽系も、星の生と死によってつくられた元素を集めて生まれてきました。隕石の研究から、太陽系誕生の前には少なくとも2回の超新星爆発が起きたことがわかっています。 前の世代の恒星がせっせと元素をつくってくれていたおかげで、いまの太陽系があるということです。 星の死とは違った爆発もあります。こちらも、私たちと大きく関係のある現象です。