【80年ぶり】恒星の爆発で“新生命”は生まれるのか 星の世界にある「命のバトンリレー」とは?
2 大爆発して、硬い芯が残る→中性子星(ちゅうせいしせい) 3 大爆発して、空間に穴があく→ブラックホール 【1】白く小さい燃えかすが残る「白色矮星」 太陽と同じくらいの重さ(太陽の質量の8倍以下)の恒星は、巨大化にともなって大量のガスをまわりに放出し、中心部がむき出しになります。 むき出しになった中心部はすでに核融合反応の止まった燃えかすなのですが、温度が高いままなので、余熱だけで白く輝きつづけます。
この燃えかすは、ギューッと凝縮して小さくなっています。なんと、角砂糖1個分の重さが1トンもあるほど、中身が詰まっているのです。白く輝く小さな星なので「白色矮星」といいます。 太陽は寿命を迎えると、赤く大きな「赤色巨星」になって(前述した記事参照)、最期は白く小さな「白色矮星」になるということです。そこから長い時間をかけてだんだんと冷えて暗くなり、ざっと10兆年もすると、光を出さない真っ暗な天体となって、見えなくなります。
■星の爆死から「ブラックホール」が出現 太陽よりも重たい恒星は、「超新星爆発」という大爆発を起こして最期を迎えます。大爆発で死を迎えるとは、壮絶ですよね……。 このあと、想像を超えた出来事が起こります。 【2】大爆発して、硬い芯が残る「中性子星」 太陽よりもとても重たい(太陽の質量の8倍から40倍程度の)恒星の場合、大爆発のあとに「中性子星」という天体が残ります。 電気的に中性な「中性子」という粒子からなり、角砂糖1個分の重さは5億トンと、とてつもない密度で凝縮されています。白色矮星をさらにギュギューッと凝縮し、硬い芯が残ったようなイメージです。
マニアックな天体に思える中性子星は、じつは、私たちの生活にも関わりがあります。 恒星の核融合反応は、鉄より重い元素をつくることができません。中性子星同士が合体することで、金、銀、プラチナといった「貴金属」や家電製品に使われる「レアアース」などの元素がつくられます。 惑星の材料にこれらの元素が含まれ、地球の一部となったことで、手に入れることができるということです。つまり、私たちがアクセサリーや家電を使うことができるのは、中性子星のおかげであるといえます。