敵の事情などない、真なる“悪”3選 アニメ史上最も恐ろしい悪役とは?
殺すことが悪ならば、究極の悪は「イデ」
●『伝説巨人イデオン』イデ 殺した数が悪の基準であるならば、究極の悪はTVアニメ『伝説巨人イデオン』に登場した「イデ」なのかもしれません。地球人が6番目に遭遇した異性文明人こと「第六文明人」数億人分の意志を集積した意志集合体であるイデは、主人公ユウキ・コスモたちの地球と敵対勢力「バッフ・クラン」の地球に第六文明人の残存有機体を埋め込み、両人類の起源となりました。 自らを正しく利用してくれる人類の再生を待つために数億年の眠りについたイデはやがて目覚め、コスモたち地球人類が乗るソロ・シップを自らの意志が発生する場、そして体として用いてクルーたちへの干渉を行ないました。イデは地球人とバッフ・クラン人の戦いを止めさせようとする傍ら、赤ん坊であるバイパー・ルウの純粋な自己防衛本能に反応して力を解放し、無限力を発動してコスモたちの危機を幾度なく救いますが、TV版34話「流星おちる果て」ではより多くの意志を集積して人類再生を図るために、地球とバッフ・クランの地球へ流星を飛ばして大量殺戮を行ないます。 また庇護していたソロシップ・クルーも、生き延びるために戦おうとした者はヒロインであるカララ・アジバを始め容赦なく見放します。さらには劇場版「発動篇」でガンド・ロワの攻撃を受けた際には余裕がないという理由でクルーのひとり、マルス・ベントをイデの力で焼き殺しています。その身勝手さ、理不尽さは人の価値観では「悪」とされるものではないかと思えるのです。
早川清一朗