惜しまれ最後の営業 天童で「田麦野一日おそば屋さん」
「田麦野一日おそば屋さん」が8日、天童市の高原の里交流施設ぽんぽこで開かれ、来場者が打ちたての新そばを味わった。今年で27回目を迎える人気イベントだが、ボランティアで運営を担う地域住民の高齢化に伴い、今回が最後の開催となった。 田麦野そば栽培研究会(村山千代美会長)が、田麦野産「でわかおり」をアピールしようと1997年にスタートした。12月に一日だけオープンするそば屋として人気を集め、新型コロナ禍の影響で中止となった2020年を除き、毎年開催してきた。しかし運営を担ってきた地域住民は70代が多く、一日だけとはいえ負担が大きいことから、今年で終了することになった。 最後の開催となったこの日は、同研究会の会員6人と地域住民約30人が“店員”となり、午前5時ごろからそばを打ち始め、同10時すぎに最初の客を迎え入れた。十割そば(300グラム)、天ぷら、漬物、そばがきのセットを千円で販売。昼過ぎには準備していた250人分が完売する盛況ぶりで、予定していた午後2時を前に終了した。
家族7人で訪れた同市駅西4丁目、会社員須藤初さん(37)は「おいしい新そばを毎年楽しみにしていたので、今年で終了と聞き残念に思う。最後のそばも、風味、のど越しとも最高だった」と話し、別れを惜しんだ。 村山会長(78)は「毎年足を運んでくれる常連さんもおり、イベント終了はさみしい。四半世紀以上にわたり、田麦野のそばのおいしさを届けることができて本望」と語り、これまで訪れてくれた多くのファンに感謝した。