3者三振「100点満点」の立ち上がり 帰ってきた明豊・若杉 センバツ交流試合
2020年甲子園高校野球交流試合は第2日の11日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場であり、明豊(大分)が4―2で県岐阜商に勝利した。 【写真特集】県岐阜商vs明豊 甲子園に帰ってきた左腕が躍動した。明豊の若杉が昨秋の東海大会準優勝の県岐阜商を7回1失点に抑えてチームを勝利に導き、「やっぱり甲子園のマウンドは投げやすい。戻ってきたなと感じて、思い切り投げられた」と笑顔を振りまいた。 昨春のセンバツで、2年生ながらエースとして先発3試合を含めて全4試合に登板し、チーム初の甲子園4強入りに貢献した。しかし、昨夏は大分大会準決勝で敗れ、出場を決めた今春のセンバツはコロナ禍で中止となった。約1年5カ月ぶりの夢舞台で、若杉は成長した姿を見せつけた。 交流試合の開催が決まってから「絶対に抑える」と意識してきた課題の立ち上がりだったが、3者三振で「100点満点」(若杉)。130キロ台後半の直球は球威があり、スライダーも切れ味鋭かった。一番の成長は「直球に近いフォームに見えるように腕の振りを速くした」と工夫したスライダーだ。七回、3点差に迫られ、なおも2死二塁のピンチ。前の打席まで2安打されている県岐阜商の右打者、宇佐美を内角をえぐるスライダーで詰まらせ、一ゴロに打ち取りしのいだ。9奪三振の快投に、川崎監督は「この1年で一番良かった」と手放しで褒めた。 明豊はベンチ入りした20人全員が出場し、「勝つために交代していたら、全員だった」と川崎監督。若杉は「この1試合を甲子園の決勝だと思って、全員で絶対に勝とうとやってきた。勝ててうれしい」。主将のエースは誇らしげだった。【吉見裕都】