やっぱり早い中山美穂さんの死…高齢で元気に活躍している芸能人の人生観・死生観とは
<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム> 女優で歌手の中山美穂さんが亡くなった。 【写真】目隠しされ自宅に運び込まれる中山美穂さんのご遺体 54歳。若い。 訃報が伝わり、中山さんがライブ予定だったビルボードライブ大阪に向かった。仕事とはいえ、気持ちの整理がつかないファンの方に話を聞くのは忍びないところだったが、応じてくれた方からは「ビックリした」「ショックすぎて」「受け入れられない」。 歌にドラマに、華々しい活躍を見せる「ミポリン」を見ながら育った世代としては気持ちは同じだった。 そんなに無理もしていないのに体にガタがきだしたり、健康が話題になったり、親世代や同世代の知人が亡くなったというような話を聞くことも増えてきたが、やっぱり早い。 取材現場に行くと、対象者が高齢で元気に活躍している方だと、まず間違いなく健康が話題になる。人生観、死生観といった話も聞かせてもらえる。 11月に喜劇俳優の大村崑(93)を取材する機会があった。フィットネスクラブのライザップで鍛えているのは有名だが、記者の目の前でスクワットやゴムチューブを使った体幹トレーニングなどを披露した。 「やりだすと止められない。体の形も変わってくる。93歳が85歳と気持ちが下がってくる」 トレーニングを続けることで気持ちを若く保てるのだという。 誤嚥(ごえん)性肺炎を起こさないように食事はしっかりかむこと、コケないようにかかとから地面を踏むように歩いたり、姿勢を保つことが大切だといい、「座布団持ってきて」。正座し、背筋をシュッと伸ばす姿は年齢をまったく感じさせない。 立ち上がろうとする時に関係者が手を差し出すと、「支えてもらうからアカンのです」と“甘える”ことを拒否。「女の人やったら手も握るけど、男の人やったら『結構です』って言います」と続けてニヤリと笑ったのは、さすがユーモアに富んだ喜劇人だ。 死生観に話題が及ぶと、「喜劇人って早く死ぬんですよ」。ちょうど、俳優の西田敏行さんが亡くなってしばらくたった頃だった。榎本健一さん、渥美清さん、芦屋雁之助さん、西田さんらそうそうたる俳優の享年を読み上げ、「喜劇は体を激しく使うし、無理もする」としみじみ。自身も若き日に肺結核となり、右肺を切除したことを振り返りながら、「僕は片肺しかないのにこれだけ元気になれたのは、筋トレと昆布です」。CM出演している「舞昆のこうはら」をPRしながら話していた。 中山さんがなくなった日、吉本新喜劇女優の末成映薫(ゆみ=77)が、大阪市のなんばグランド花月で「生存確認ライブ2~いこいのホテル oh!ラッハ~ン~」なるイベントを開催した。ゲストには来年1月に90歳を迎える浜村淳(89)が出演していた。 浜村にも大村に聞かせてもらったような人生観を聞いてみたかったが、残念ながら今回はお預け。取材機会があれば、ぜひ聞かせてもらいたい。【阪口孝志】