ＳＫグループの崔泰源（チェ・テウォン）会長

◇ＡＩ時代の製造業の未来 ＳＫグループの崔泰源（チェ・テウォン）会長が「２０２４蔚山（ウルサン）フォーラム」で韓国製造業の人工知能（ＡＩ）・デジタルトランスフォーメーション（ＤＸ）のために企業がデータを共有する共生モデルを提案した。蔚山フォーラムはＳＫイノベーション創立６０周年を迎えた２０２２年、会社の母胎である蔚山地域の未来を議論するために崔会長が提案してスタートした行事だ。崔会長は３年連続で出席し、社会問題の解決方案を模索している。 ２５日、蔚山展示コンベンションセンター（ＵＥＣＯ）で開かれた蔚山フォーラムでは「ピボッティング（Ｐｉｖｏｔｉｎｇ）蔚山：技術と文化で作る」というテーマで熱を帯びた議論が行われた。 崔会長が提示した話題はＡＩ時代の製造産業の「逆発想」だ。崔会長は「製造業がＡＩをどれくらい便利に使うのかというひとつの側面ばかりを見ているが、ＡＩを使っていれば自分が作っても他人が作っても結局製品が同じような形になる」とし「製造業をベースにＡＩを訓練して、これを通じてもっと賢くなったＡＩを商品化するなど両方向からアプローチするべきだ」と指摘した。こうなれば２０～３０年後、蔚山製造企業がＡＩ関連の商品を販売する会社に変わることもありうるという展望だ。 崔会長はまた「ＡＩをフル活用するためには、ばく大な量のデータでＡＩを訓練しなければならないが、蔚山の個別企業がこれをしようとするには限界がある」とし「蔚山産業団地内の全体データを皆等しく共有するやり方でＡＩ関連のインフラを作り、これを蔚山製造業に合うように落とし込んでこそ、はじめて効果をあげることができる」と話した。蔚山市次元でこのような試みを行えば麗水（ヨス）・大田（テジョン）など他の都市も参加することになり、製造業関連データを総網羅する巨大なＡＩ産業インフラにすることができるという提案だ。 ＳＫエネルギーや現代（ヒョンデ）自動車、ポスコ、ＨＤ韓国造船海洋などの企業は、各自導入中のＡＩとＤＸ事例を紹介してスマート製造の未来を議論した。ＳＫエネルギー担当のチョン・チャンフン氏は「ＳＫは６０年以上蓄積されたドメイン（事業領域）知識と国内情報技術（ＩＴ）企業の技術を融合している」とし「４０個余りのＤＸ課題のうち１０個余りを自ら開発した」と話した。 フォーラムでは地域消滅危機を解消するために産業都市蔚山に文化を取り入れようという議論も行われた。基調演説に登壇したチェ・ジェチョン梨花（イファ）女子大碩座教授は「蔚山は重化学工業が発達した都市であるため、男性には魅力的かもしれないが、女性にとって来る理由があまりない」とし「文化的要素を加えて女性が住みたい都市にしよう」と提案した。 崔会長は文化と産業を融合する芸術が必要だと提案した。崔会長は「蔚山にしかない特徴を最大限反映した文化コンテンツがあってはじめて国内外から人々が集まる」としながら「現在使用中の原油貯蔵タンクの外壁には図を描いて、使わないタンクは内部に図書館・オペラハウスなど文化施設を作るのも方法」と話した。 今回のフォーラムには崔会長をはじめ、朴相奎（パク・サンギュ）ＳＫイノベーション社長などＳＫグループ経営陣と金斗謙（キム・ドゥギョム）蔚山広域市長、イ・ユンチョル蔚山商工会議所会長、呉然天（オ・ヨンチョン）蔚山大総長などが出席した。 現在ＳＫグループが進めている事業構造調整に対する立場も明らかにした。崔会長はＳＫイノベーションとＳＫ　Ｅ＆Ｓの合併について「新エネルギーから現在のエネルギーまですべて総網羅してトランジション（転換）する時、互いに摩擦もなく力を合わせて協業がうまくいくだろう」としながら「二社が再び一つになりエネルギートータルソリューションを占めることになった」と話した。