89歳岸惠子「あと2冊書きたい。石原慎太郎さんなどのエピソード。こういう人が歴史をつくったって」
女優の岸惠子(89)が18日、都内で合同取材会を行い、8月12日に神奈川県立音楽堂、同30日に東京・新宿文化センター大ホールで行われるスペシャルトークショー「いまを生きる」への意気込みを語った。 トークショー開催は2019年以来。女優や作家、エッセイスト、ジャーナリストとしても活躍してきた岸自身が体験した驚きの出来事や数々のエピソードを交え、いま最も大切にしたいこと、変わらず伝え続けていきたいことなどを語る。 黒の膝丈スカートにヒール姿で登場した岸は、しっかりした足取りで上品さと若々しさをあふれさせた。「(今年)2月9日から怖くて門の外を一歩も出ていないの。今日はなんだか都会に出てきて、うれしくなってしまいました」と明かし、久しぶりの外出に声を弾ませた。 「私が映画界で活躍していた頃に比べ、時代はがらりと変わった」とコロナ禍とロシアによるウクライナ侵攻を憂慮。20代で渡仏した岸は「一生の半分以上をヨーロッパに住んだ私は、国境は動くものだと思うようになった。海に囲まれ、安全地帯という特殊な日本。知識もあるし、分析力もあるのに、あまりにのんきに思える。鎖国してるの?ってくらい。感覚で分かっていても、行動に出ない。その辺りのことをお話したい」とトークショーへの意欲を見せた。 また、8月11日には卒寿を迎える。90代の生き方について「終活?全然してない。衰えるのは仕方ない」と話し、健康法について「何にもしないのがいい」とアドバイスすると、「私は寝たいときに寝てます、お昼ごろまで。夜中の3時くらいまで起きて、パソコンで書き物をしています」と私生活を語ると、「あと2冊書きたい。石原慎太郎さんなどのエピソードで“こういう人が歴史をつくった”って。あと小説ですね。書いたらとっとと死にたいわ」とケロリとしていた。
中日スポーツ