希望の党の共同代表選スタート 玉木氏と大串氏、考え方の近さと距離
希望の党の共同代表選に立候補した玉木雄一郎氏と大串博志氏の両衆院議員が8日、共同記者会見を行った。衆院選直前に誕生し、初めての共同代表選出となる同党だが、両氏は将来的に政権を担う政党・勢力に育てていくと語った。安保法制については「違憲部分がある」、憲法改正では「9条含めて議論する」、野党との連携の必要性では共通部分はあるものの、対応スタンスや踏み込み具合では違いもみられた。 民進党の合流・分裂の中から同党と立憲民主党が立ち上がり、民進党も参院を中心に存続することになった。野党再編が再び注目を集める中、共同代表は10日午前の両院議員総会で所属議員の投票によって決まる。
玉木氏「改革マインド」大串氏「安倍政権を打倒」
共同代表選は8日告示され、午前10時から11時までの間に玉木氏、大串氏の2人が立候補を届け出た(届け出順)。共同代表は国会議員団の代表で、小池百合子代表(東京都知事)とともに党務や国会活動を統括する役割を担う。 会見の冒頭発言で、2人が共通して触れた話題がある。 党綱領と同党の立ち位置だ。綱領では「我が党は、立憲主義と民主主義に立脚し、次の理念に基づき党の運営を行う」と銘打ち、6つの理念を掲げる。一番目の理念で「我が国を含め世界で深刻化する社会の分断を包摂する、寛容な改革保守政党を目指す」と記している。 玉木氏は「寛容な改革保守の立ち位置を綱領の中でも明確にしている。素晴らしい立ち位置」、大串氏は「立憲主義と民主主義に立脚」という点と「社会の分断を包摂する、寛容な改革保守」という点を挙げ、「優れた内容の綱領」と評価した。 一方で、出来たばかりの政党であることから、「この党がどこを目指していくのか、国民のみなさんが関心を持っている思う」(大串)、「選挙戦を通じて、新党の立ち位置を明確にし、国民の信頼得られる政党に育てる」(玉木)と共同代表選の意義を口にした。 自身の政策の基本的な考え方について、玉木氏は「外交安保は現実的に行う。一方で国内政策は、世界的にも格差広がる中で、配分を重視して、一人ひとりが尊厳ある生活保障の中で暮らせる制度をつくりあげる。大切なのは改革の精神。行政改革・情報公開と、しがらみにとらわれず、新しい日本をつくっていく先頭に立つ覚悟。どの政党よりも改革マインドに溢れた集団にしたい」と、現実路線の外交と再分配を軸とする内政政策の推進、改革姿勢を強調した。 大串氏は「極端な右でも左でもない。まさにど真ん中に軸足を置く。安倍政権の行き過ぎを止めてほしいという国民の不満の受け皿として希望の党を育てていきたい。安倍政権と相対峙し、打倒する考えを前に出しながら、志を同じくする野党とも連携をしっかり取っていきながら戦う」と安倍政権への対決姿勢と野党連携への意欲を強く打ち出した。