ヨコハマ映画祭で「海辺の映画館」が作品賞に、新人賞・宮沢氷魚からコメントも
第42回ヨコハマ映画祭の受賞結果が発表された。 作品賞に選出された「海辺の映画館―キネマの玉手箱」は、2020年4月10日に死去した大林宣彦の監督作。原子爆弾投下前夜の広島にタイムリープした3人の若者たちの姿が描かれ、厚木拓郎、細山田隆人、細田善彦、吉田玲、成海璃子、山崎紘菜、常盤貴子、小林稔侍らが出演した。同作は日本映画ベストテンでも1位に。また大林宣彦とプロデューサーの大林恭子はヨコハマ映画祭大賞を受賞し、「『海辺の映画館―キネマの玉手箱」に込めたふたりの映画愛とパートナーシップによる映画作りが後進に与えた勇気とエネルギーは計りしれず巨大であり、永遠であることを称えて」と選評が添えられた。 【写真】「海辺の映画館―キネマの玉手箱」ポスタービジュアル (c)2020「海辺の映画館―キネマの玉手箱」製作委員会/PSC(メディアギャラリー他6件) 監督賞を受賞したのは城定秀夫。高校野球の応援に来た高校生たちの青春群像劇「アルプススタンドのはしの方」と、人生に絶望した男が監禁や調教を体験して“生”を取り戻していくR18+指定のBL映画「性の劇薬」により選ばれた。新人監督賞は、俳優志望の青年が高校時代に思いを馳せながら現在と向き合っていく青春ドラマ「佐々木、イン、マイマイン」の内山拓也に贈られた。 主演男優賞は「浅田家!」の二宮和也、主演女優賞は「喜劇愛妻物語」「滑走路」の水川あさみ。助演男優賞は「罪の声」「本気のしるし 劇場版」の宇野祥平と「もみの家」の緒形直人、助演女優賞は「朝が来る」「星の子」の蒔田彩珠が獲得した。 最優秀新人賞は4人の俳優が受賞。「ラストレター」などの森七菜、「his」の藤原季節と宮沢氷魚、「初恋」などの小西桜子に贈られる。宮沢は「この度はヨコハマ映画祭にて新人賞という素敵な賞を受賞出来たことを大変嬉しく思っています。『his』という作品が沢山の人に届き、認められたことを実感しています。これからも精進し、素敵な俳優になれるように頑張ります」と事務所を通じてコメントを発表している。 受賞結果の一覧は以下の通り。 ■ 第42回ヨコハマ映画祭 受賞結果 □ 作品賞 「海辺の映画館―キネマの玉手箱」(監督:大林宣彦) □ 監督賞 城定秀夫「アルプススタンドのはしの方」「性の劇薬」 □ 新人監督賞 内山拓也「佐々木、イン、マイマイン」 □ 脚本賞 足立紳「喜劇 愛妻物語」「アンダードッグ 前編 / 後編」 □ 撮影賞 四宮秀俊「佐々木、イン、マイマイン」「人数の町」 □ 主演男優賞 二宮和也「浅田家!」 □ 主演女優賞 水川あさみ「喜劇 愛妻物語」「滑走路」 □ 助演男優賞 宇野祥平「罪の声」「本気のしるし 劇場版」 緒形直人「もみの家」 □ 助演女優賞 蒔田彩珠「朝が来る」「星の子」 □ 最優秀新人賞 森七菜「ラストレター」「461個のおべんとう」「青くて痛くて脆い」 藤原季節「佐々木、イン、マイマイン」「his」 宮沢氷魚「his」 小西桜子「初恋」「ファンシー」「佐々木、イン、マイマイン」 □ 審査員特別賞 細川岳と「佐々木、イン、マイマイン」 彼の胸に生起したイリュージョンに身体性をもたらし、「佐々木、イン、マイマイン」を産み落とした功績を称えて □ ヨコハマ映画祭大賞 大林宣彦、大林恭子 「海辺の映画館―キネマの玉手箱」に込めたふたりの映画愛とパートナーシップによる映画作りが後進に与えた勇気とエネルギーは計りしれず巨大であり、永遠であることを称えて □ 日本映画ベストテン 第1位「海辺の映画館―キネマの玉手箱」(監督:大林宣彦) 第2位「喜劇 愛妻物語」(監督:足立紳) 第3位「浅田家!」(監督:中野量太) 第4位「朝が来る」(監督:河瀬直美) 第5位「スパイの妻(劇場版)」(監督:黒沢清) 第6位「アルプススタンドのはしの方」(監督:城定秀夫) 第7位「罪の声」(監督:土井裕泰) 第8位「本気のしるし 劇場版」(監督:深田晃司) 第9位「一度も撃ってません」(監督:阪本順治) 第10位「佐々木、イン、マイマイン」(監督:内山拓也) 次点「37セカンズ」(監督:HIKARI) ※河瀬直美の瀬は旧字体が正式表記