「時代にあった変化を」“年収の壁“ 女性たちの葛藤【報道特集】
■“年収の壁”のしわ寄せ 「雇う側」にも 年収の壁は労働者だけではなく、雇う側にもしわ寄せが及んでいる。 近畿や首都圏で300店舗以上を展開するスーパーマーケットチェーン「ライフ」。東京・世田谷区にある桜新町店は、従業員270人のうち150人がパートタイマーだ。 ライフ桜新町店 杉秀彦 副店長 「実際のところ(自分の)明細を見てみると、まずい、103万円を超えちゃうから今月働けませんとか、そういったところが急に降ってくるので」 年末が近づくこの時期、働き控えが増えシフトの調整がより大変になるという。 杉秀彦 副店長 「本来4時間なんですが働けない.。この日は1時間で帰っているんですよね。本来だったらここまでいてくれるので。ここの午前中、お客様が一番入る時間帯ですね。レジが慢性的に不足しちゃうとか」 11月15日のレジ作業のシフト表を見ると、必要とされるレジの台数より実際はほとんどの時間帯で1台から2台、レジの稼働が少なくなっている。 しかもライフでは能力に応じて、時給を5円単位で上げているので、出勤を控える人はおのずと増えていくという。 杉秀彦 副店長 「管理職としてはパートさんが時給上がるのは嬉しいんですよ、頑張ってくれた結果なんで。そうなんですけど今の時期が近づいてくるにつれて、時給があと20円低ければなとか、その分103万円を気にしてない方たちに、労働がいっちゃうんですよね」 パートを始めて5年半になる40代の女性は、年収の壁には常にジレンマを感じているという。 パートの女性(40代) 「(壁が)なければもっと働けるのになっていうのと、働いている仲間に迷惑をかけなくていいのが一番のジレンマですね」 夫と子供2人の4人家族。家事をしながら働くのには、パートのほうが都合がいい。だが年収の壁を超えると、途端に税金や保険料の負担が生じてくるため、毎年、働き控えをしているのが現状だ。 パートの女性(40代) 「働けるならもうちょっと働いてもいいんじゃないと思うんですけど、やっぱり扶養内っていう大きな壁がどうしても103万円を超えたら、また次の壁がどんどんどんどん出てきちゃうので、本当に割り切って、振り切って正社員とかにならないと手取りが増えなくなっちゃうので。だからそうするんだったら、もう今のままの状況がいいんじゃないのっていう家族の話で」