長野県松本市の中心街に遊び場もっと 市がLINEで市民アンケート 多世代集える空間要望も
長野県松本市は中心市街地の将来像を再検討するため、8~10月に市公式LINE(ライン)を通じて市民から募ったアンケート「どうする中心市街地」の集計結果をまとめた。質問項目を設けない自由記述で意見を募り、人工知能の生成AIが分析した。遊び場や商業施設の不足、交通の利便性や地域の魅力向上に関する意見が多く寄せられ、今後の街づくりに反映すべきというAIの要旨が作成された。 8月9日~10月31日に募集し、528件の意見やアイデアが寄せられた。類似の意見を分類する「定量的分析」と、複数の意見から頻出する言葉や要旨を抽出する「定性的分析」でまとめた。 商業施設の再開発で寄せられた意見では、松本パルコ(中央1)や井上本店(深志2)の閉店で商業施設の減少を危惧する声が多く、若者や家族連れが楽しめる場所の必要性が強調された。 市は当初、来年2月末に閉店する松本パルコの後利用について、閉店後に上層階を借りて公民連携の複合施設として利用する方針を示していた。今年3月の市長選後、パルコ側が協議の中止を申し出て白紙となったが、AIの分析では、子育て支援施設や図書館を望む市民のニーズとかけ離れていなかったことが分かる。 分析を担当した市総合戦略室の横山晋哉さん(36)は「自由記述の分析は難しかったが、生成AIで可能になった。恣意的でない客観的な分析結果が示せたと思う」と話している。 アンケートに答えた半数は10~30代だったといい、臥雲義尚市長は2日開会の市議会12月定例会の提案説明で「改めて中心市街地の現状と未来に対する関心の高さ、期待の表れを感じた」と話した。
市民タイムス