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「終活」を考えるのは後ろ向きな話ではない たとえば自分の死後に遺産で社会貢献をすることも可能

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相続会議

遺贈寄付を身近なものにしようとするキャンペーン「遺贈寄付ウィーク」が、9月5日から始まります。国内では初めての試みです。遺贈寄付をテーマにした著作で知られるライター星野哲さんは、その大切さについて「社会課題の解決につなげる恩返し」と強調します。

「つながり」が核にあるから

「終活」をご存知ですか? 自身の死に備えてお墓や葬儀の準備をしたり、終末期医療の方針を考えたりすることです。いま、一人暮らしの増加など家族の変化を背景に、「迷惑をかけたくない」と終活する人は少なくありません。でも、「迷惑をかけない」というちょっと後ろ向きの文脈ではなく、「自分が幸せな気持ちになりたい」「少しでも暮らしやすい社会にするために」と、前向きな終活もできます。その一つが遺贈寄付です。遺贈寄付は「つながり」が核にあるからです。 終活など死を意識するとき、人は人生を振り返ります。いろいろな場面で、多くの人たちに支えられて歩んできたはずです。時には奨学金や寄付、輸血など見知らぬ他者に助けられたかもしれません。学校や会社、地域などの場で人と出会い、助け、助けられてきたことでしょう。多くの関係性、つながりの中に自分がいること、有形無形の無数の恩を受けてきたことに改めて気づくのではないでしょうか。その感謝の念を形にしたいと思った時、遺贈寄付がその手段になりうるのです。

自分ための「恩返し」

遺贈寄付は、「思い」をお金に託して次世代に活かしていく行為です。「奨学金のおかげで勉強できたから、貧困で進学できない子どものために活かしてほしい」「自分には間に合わないけれど、難病治療法の研究開発に」「たまたま自分は日本に生まれて戦渦に巻き込まれることなく暮らせた。紛争で苦しむ人のためにお金を使ってほしい」――。次世代につながりながら、様々な課題の解決に役立つ、恩返し・恩送りの手段です。自分の生きた証が何か残る、人生最後の社会貢献なのです。 同時に、こうして人生を振り返り、次世代につながることは、間違いなく自分の人生を肯定することになるでしょう。人生という「物語」を、肯定的に描く一助になります。人は他者の役に立つことで自身の幸せ感が高まることは、様々な調査結果が明らかにしています。それが、死に向き合うときの心の支えの一つにもなるかもしれません。遺贈寄付はまさに自分のためでもあるのです。

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