定番カクテル「オールドファッションド」、江戸の流行取り入れ変身 コンラッド東京
■単なる「飾り」じゃない ユニークなチュイール
そして仕上げにグラスに添えられるのが、「何羅魚」を模したという魚の形をしたチュイール。サクサクしたサブレのようなこのチュイールには、麦焼酎につけ込むカカオバターが使われ、ふわりと香ばしいビターな風味がします。コクがあり、でもひそやかな甘みと苦みがウイスキー独特の芳香と融合して、後を引くおいしさ。 ウイスキーカクテルは通好みで手が出しにくい、という人も、ユニークな魚のチュイールにひかれて、思わずチョイスしたくなるかもしれません。 「焼き上がったチュイールを型から外すときは、骨が崩れそうで緊張します」と笑う田中さん。極めてシンプルなカクテルに、田中さんならではのスタイルをいかに投影するか、情報収集してはトライする日々です。 「コンラッド東京にはたくさんのアート作品があるので、そこからインスピレーションを得ながら新メニューを考えています」。まもなくメニューに登場する「アートカクテル」は全部で8種類の予定。名前も味わいも見た目も楽しいカクテルを味わうのは、ぜひ、館内のアートを堪能した後で。 文:THE NIKKEI MAGAZINE 編集長 松本和佳 ※この記事は「THE NIKKEI MAGAZINE」の記事を再構成して配信しています。