KinKi Kids堂本光一、2018回「やりきりました!」 ミュージカル『Endless SHOCK』大千秋楽、24年間の歴史に幕
KinKi Kidsの堂本光一(45)が作・構成・演出・主演を務めるミュージカル「Endless SHOCK」が29日、東京・帝国劇場で大千秋楽を迎えた。2000年11月の初演で帝劇の史上最年少座長を務め、今年5月9日には国内演劇における単独主演記録1位を塗り替える2018回を達成。来年2月に帝劇が建て替え工事のために休館するタイミングに合わせ、光一主演のSHOCKシリーズは惜しまれながらも24年間の歴史に幕を下ろした。 「日本一チケットが取れない演劇公演」と呼ばれた名作は、2128回目の公演で惜しまれながらも終幕を迎えた。この日は全国100館の映画館でライブビューイングを行い、7万人がキャストらの最後の勇姿を見届けた。 舞台上のゼロ番位置から、光一が客席に向かって最後のフライングへと飛び出した。大きな拍手の中、自身しか味わうことのできない帝劇上空からの景色を目に焼き付けた。第2幕最大の見せ場「夢幻」では、主要キャストが心を一つにして一糸乱れぬダンスを完璧に披露。光一はかつて見せたことのない鬼気迫る”どや顔”でアピール後、一人一人をひじタッチでねぎらう姿が観客の涙を誘った。 光一が「SHOCKラストイヤー」を宣言した今年は4、5月に帝劇、7月から8月にかけて大阪・梅田劇場、9月に福岡・博多座を回り、11月に再び帝劇へ。年間最多の142公演を開催。終演後のカーテンコールにはスケジュールの都合で欠席となった中山優馬を除く今年の全キャストが集結した。 SHOCK記念回の恒例となったくす玉が登場。「光ちゃん お疲れ様でした!」の垂れ幕とともに大量の紙吹雪が降り注ぎ、前田美波里が今年の公演数と同じ142本の赤いバラの花束を贈呈した。主要キャストらが一人ずつあいさつし、カーテンコールは1時間にも及んだ。 2013年から11年、SHOCKとともに歩んだ前田から「この作品がなくなってしまうことがものすごく寂しい。光一さん、この作品を超えるいい作品を作ってください」とリクエストされると、光一は「SHOCK専用劇場でも作ってやれればいいかな」とリップサービス。続けて「まだまだやれることはあると思う。自分がもう(主人公の)コウイチ役を演じることはないかもしれませんが、誰かに受け継いでもらえたらうれしいと思うのと、ファンの方にとったら(後継者は不要という)複雑な思いがあるというのも理解しております」と悩みの種を抱えながらもSHOCKの灯は消さないことは断言した。 観客の鳴りやまない拍手に応え、ダブルカーテンコールに単独で登場した際は、後輩たちから7回胴上げされた。その後の会見では「思い残すことはありません。やりきりました!」と満足げな表情をのぞかせつつ「光一さんにとってSHOCKとは」の質問に「今後にも期待を込めて永遠であってほしい」と願いを込めながら「いろんな部分がボロボロなのでまずは治します」と笑った。 ◇ ◇
米ニューヨークのブロードウェーを舞台に、主人公コウイチとそのカンパニーが運命を駆け抜けながら「走り続けること」の意味を問う作品。歌、ダンス、パーカッション、殺陣などさまざまな演出が目まぐるしく展開される。 2002年6月からは第1幕クライマックスの「ジャパネスク」のシーンで光一が22段、高さ4.84メートルの階段を転げ落ちる名シーン「階段落ち」の演出が盛り込まれており、この日の大千秋楽までに全1923回演じた。落下した階段は4万2306段で高さに換算すると9307メートルとなり、エベレスト(8848メートル)を優に超える狂的な数字となる。
中日スポーツ