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リスク残る学校再開 不安と希望…フランス親の本音

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日経DUAL

3月中旬から厳しい外出制限が続いてきたフランス(詳しくは前編・後編を参照)。新型コロナウイルスによる死者が1日100人を超える中で学校が再開されました。とはいえ、再開された学校で新たに感染者が出たり、学校生活にもさまざまな制約が出たりと、「コロナ前」に戻ったとは言えない状況。フランスの子どもたちや共働きの親は何を思い、学校生活をどう過ごしているのでしょうか。フランス在住のアーティストでジャーナリストの永末アコさんが、揺れる親たちの本音をリポートします。※5月21日時点の内容に基づいています 【関連画像】幼稚園や小学校の前には「送り迎えのときにはここに立って待ちましょう」というマークがつきました(フランスでは小学校も送り迎えがあります) ●外出制限が緩和された、5月のパリでは  約8週間に及んだフランスの外出制限は、5月11日から段階的に緩和が始まりました。これまでは、一歩外に出るのにも理由や時間や所在地を書き込んだ外出証明を作らなくてはなりませんでしたが、それがなくてもよいというだけで、背に羽が生えたような自由な気分です。最初の数日は、「簡単に外に出られる!」と玄関を閉め、鼻歌交じりにアパルトマンの階段を下りる途中でユーターン。マスクを忘れていたのです。パリ市長アンヌ・イダルゴは緩和の後の外出に、マスク着用を義務付けたのです。  ともあれ、周囲100km以内なら証明書なしにどこへでも移動できるようになり、メトロにもラッシュアワー以外は証明書なしに乗ることができます。たくさんの施設や店が開き始め、学校も徐々に再開されています。  まだまだ1日に何百人という人々がウイルスによって亡くなっている中で決まったこの緩和。さまざまな分野で賛否両論が飛び交い、何が正しく何が真実かはいまだ霧の中です。中でも学校再開に関しては、 全国医師団体をはじめとする医療業界の多くの人々と、学術議会(大統領の指揮で厚生大臣により3月初めにつくられたコロナ対策の政府機関)は反対で、多くの教師たちの反対署名が集まったにもかかわらず、決行となりました。  学校再開は一斉にではなく、感染の少ないグリーンゾーンと呼ばれる地域(パリを含むフランス北東部を除いた、国土の約4分の3を占める地域)から、そして保育園と幼稚園、小学校低学年を優先に少しずつ始まりました。  1クラス内の生徒は、小学校の場合15人以下、保育園・幼稚園で10人以下に制限。医療関係や警察、消防などに勤めている親の子ども、厳しい家庭環境の子ども、成績の低い子どもの登校が優先され、現時点では親が賛成でなければ子どもを登校させなくてもよいことになっています。  けれど外出制限緩和後すぐに開かれた4万校(幼稚園を含む)のうち、1週間後には70の感染例が報告されました。感染源は学校ではないとされていますが、感染者が出た学校は即、再休校に。その他の学校は、底の知れない池に張った薄い氷の上を歩くがごとく、続いています。また保育園でも、感染疑惑があった1カ所の園が再閉園になっているそうです。

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