「もういい加減にして!」“子どもの癇癪”に疲弊…。小児科医に聞いてわかった、癇癪を減らす“意外な方法”
発達特性があり、切り替えが苦手な子…どう接すれば?
「切り替えが苦手で、よくかんしゃくを起こしてしまうわが子…」発達特性を持つ子どもの子育てで、お子さんの行動に悩んでいる方はとても多いと思います。しかし、子どもの行動には、必ず理由があります。その行動を見て肯定的な注目(ポジティブな視線)を向けることで、子育てがラクになるヒントへとつながるのだそう。 親の声かけが癇癪を助長してるかも? イヤイヤ期を乗り越える言いがちNGフレーズ変換法 そこで今回は、小児科の医師であり、自身も3児の母である西村佑美さんが、1万組以上の親子を診てきた経験や、発達特性のある子の子育ての実体験をもとに書いた書籍『発達特性に悩んだらはじめに読む本』(Gakken)から一部抜粋して、「切り替えが苦手。親の言うことを聞きません」というトピックスをご紹介します。
Q.切り替えが苦手。親の言うことを聞きません。
切り替えが苦手、かんしゃくをよく起こす、立ち歩く、手がつなげない、園の行きしぶり、偏食…など、さまざまなお悩み相談をいただきますがみなさんにお伝えしている最も大切な基礎があります。 それは、お子さんの“行動”を見て肯定的な注目(ポジティブな視線)を与える“親”としての基礎づくりをすることです。 これは「ペアレント・プログラム」や「ペアレント・トレーニング」といった親子向けのプログラムでも最初に取り組みます。 「子どもがすぐに変わるテクニックを教えて!」 と思うかもしれませんが、実はこの基礎づくりこそ、子どもの自己肯定感を上げ、親にとっては日常の声かけが伝わりやすくなって子育てがラクになる近道なのです。
基礎づくりのための注目ほめ習慣
【アイコンタクト+笑顔】 日常で子どもと目が合ったら、ママ、パパが口角を上げてニコッと笑う。それだけで子どもはウキウキ♪ して幸せな気持ちに。「アイコンタクト+笑顔」のポジティブな視線をともなうほめ習慣は、人の目を見て話を聞く力も育みます。 【注目するほめ方】 「すごい!」「上手!」と大げさにほめなくても、子どもの行動をそのまま肯定的な言葉でナレーション(実況中継)するだけでもOK。子どもに小さなお手伝いをお願いして「ありがとう」と感謝するのも自信をつけるほめ言葉のひとつ。 【注目しない叱り方】 子どもが困った行動をするとイラッ!としますが、まずは6秒待って怒りを逃し、あえて目を見ず冷静に好ましい行動を伝えます。そして子どもが行動を少しでも変えたら、すぐに肯定的に注目し、最後はほめて成功体験にしてしまうのが上手な叱り方のコツです。 では、実際にはどのように声をかければいいのでしょうか? 次回は、場面別の具体的な声掛け例をご紹介します。