中戸さん(おいらせ)史上2人目のアマ九段/日本将棋連盟、4月免状授与/「女性普及に努めたい」
日本将棋連盟は20日、長年にわたり将棋普及に多大な貢献があったとして、青森県おいらせ町のアマ八段・中戸俊洋さん(78)=衣料品販売会社代表=に最高位の「アマ九段」を授与することを内定したと発表した。史上2人目で、4月3日に免状を授与する。 アマチュアの段位認定は、七段までは大会成績に基づき認定される。八段以上は将棋界への貢献を考慮、名誉的な段位として授与している。九段は2011年に創設され、これまでに授与されたのは愛知県の堀田正夫さんのみ。 20日、同町の大山将棋記念館で報道陣に説明した日本将棋連盟の西村一義元専務理事は「中戸さんは長年にわたり計500回以上の大会を開くなど、アマ将棋界最大の功労者。その功績に連盟からのお礼として授与させていただく」と理由を述べた。 中戸さんはアマ九段内定について「身の引き締まる思い。一度体調を崩したこともあり以前のような陣頭指揮は難しいが、従来と違う角度から将棋普及に努める。特に女性への普及に力を入れたい」と話した。 中戸さんは1975年に日本将棋連盟上北支部を結成、79年には県将棋連盟副会長に就任した。89年には旧百石町に大山将棋記念館を開き、初代館長となった。98年には日本将棋連盟の大山康晴賞、2003年には東奥賞を受賞。新聞、テレビなどメディアを通じて普及活動に努めたほか、多くの将棋大会を開催してきた。 1999年には指導者として同連盟から「棋道師範」の委嘱を受けたが2015年に体調を崩し、休止した。しかし近年は体力が回復してきたこともあり、アマ九段免状取得と同時に4月、棋道師範に復帰する予定。同連盟は、さらに高位の称号を贈ることも検討している。 同連盟は4月、中戸さんを支え続けた妻・悦子さん(74)に感謝状を贈る。