中国AI大手センスタイム、組織再編でコア事業に集中 自動運転やロボット事業などを分社化
中国の人工知能(AI)大手「商湯科技(センスタイム)」の徐立・最高経営責任者(CEO)は12月3日の社内向け文書で、戦略的組織再編が完了したと発表した。 今後は中核事業のAIクラウドと汎用視覚モデルに集中すると同時に、自動運転ソリューションの「商湯絶影(センスオート)」、家庭用ロボットの「元蘿蔔(センスロボット)」、スマートヘルスケア、スマートリテールの各事業を分離し、それぞれにCEOを置く。 センスタイムは2014年に設立され、画像認識システムで頭角を現してユニコーン企業となり、21年12月30日に香港上場を果たした。現在はコンピュータビジョンやディープラーニング技術の優位性を生かし、スマートカーやロボット、ヘルスケア、小売などへと事業の幅を広げている。 生成AIの登場で「AI 2.0」時代に突入した現在、AI技術企業はこれまでよりもより多くのエネルギーと資金を投じ、競争に立ち向かう必要に迫られている。センスタイムは2024年10月、新たな戦略として、独自の汎用AIインフラ「SenseCore 」、大規模言語モデル(LLM)およびアプリケーションをシームレスに統合すると発表し、事業の集約化と効率化に向けた戦略的な組織再編に着手していた。 センスタイムは2017年にホンダと提携し、共同で自動運転レベル4の開発を進めている。傘下のセンスオートが手がける自動運転ソリューションは、電気自動車(EV)ブランドの広汽埃安新能源汽車(AION)の「LX Plus」、哪吒汽車(NETA)の「S」、昊鉑(Hyper)の「GT」のほか、高級車ブランド「紅旗(ホンチー)」などにも搭載されている。 (36Kr Japan編集部)