整形総額1000万円超「元東大病院勤務のナース」、7000万円をかけて“理想の美容クリニック”を開業したワケ
ドクターよりも「患者さんに近い存在である」という強み
――美容ナースが経営するクリニックだからこその強みはありますか? 皮膚科はドクターよりもナースのほうが患者さんに近い存在だなと今まで美容皮膚科に勤めた経験から思っています。クリニックによるとは思うんですけど、美容皮膚科を極めているドクターもいるけど、意外とナースの方が肌のことに詳しかったり、対応してる患者さんも数も多いっていう体感があったんです。 だから患者さんに近い存在だからこそ、患者さんも話しやすいし、ナースも寄り添えるという点で、ナースがやる強みはあるんじゃないかなと思っています。 ドクターがクリニックを経営していても、肌のことに詳しいナースがいれば同じようなことはできるかもしれないんですけど、いろんなことを決める権限がドクターではなく私にあるから、より患者に近い存在が、クリニックの方向性や導入する機械、施術のメニューなどを決めて、患者さんに寄り添ったものが提供できるのが強みだと思います。 ――自身が整形経験者だからクリニックに活かせたこともあるんでしょうか? 私のクリニックでは外科をやる訳ではないので、整形経験者であることが強みになることはないんですが、やっぱり私は美容医療で努力して綺麗になったと言う経験があるので、綺麗になりたい人の気持ちはすごく理解できるんです。 それって、患者さんからしても、元から綺麗でキラキラしている人より、努力して変わった人の方が安心できるかなって。 人からはそんなに気にならないよって言われることでも、自分にとってはすごく気になる……みたいな、人にはわからない悩みがあることは理解できる。それは皮膚治療だけじゃなく、外科治療も自分自身がたくさんやってきたからこそ分かることでもあるかもしれません。
開業資金7000万円は融資と貯金
――クリニックをオープンするにあたって苦労したことはありますか? 苦労だらけです。単純にやることが多すぎてタスク管理ができない。周りの開業している医師の先生からも「コンサル入れないの?」って言われて、入れてないって言うと「信じられない!」って驚かれます。 全部自分でやってるから、大変だろうなとは思っていたんですが、想像以上でした。薬剤を発注するにしても業者の数がものすごく多いし、ネットに載ってない業者もあるので、どこがいいかを相見積とって比較したり。 クリニックに導入するWi-Fiとか、プロバイダの設定とか言われても意味がわからないし、契約書作りとか、保険関係とか、今までやったことのない仕事が次々降ってくるのがキツいですね……。 ――クリニックの開業資金は正直どれくらい掛かったんでしょうか? 運転資金込みで約7000万円です。内訳は、銀行と日本政策金融公庫から融資で4400万円を借りて、あと約2500万円はこれまで働いて貯めた自分の貯金です。 融資の4400万円は、正直信じられない金額を借りれたねって言われます。ドクターだと1億円くらいでも借りれるんですが、私はドクターではないから信用に欠けるんですよね。 なので、事業計画書をしっかり書いて、何度も面談してプレゼンして、いつまでにいくら稼いでどのくらい返せるのか、どうしてこのくらい患者がくると思うのかまでしっかり提示して、借りることができました。