できなきゃMTに乗る資格ないぜ……なんていわれた時代もあったのよ! いまや不要なものもあるMT車のテクニック3つ
シフトチェンジにはさまざまなテクニックがあった
MT車に不慣れな初心者は、発進時のクラッチミートに苦労するが、少し馴れるとシフトダウン操作がストレスに……。というのも、不用意にシフトダウンを行なうと、ガツンとエンジンブレーキがかかり、不快なショックが伝わってくるからだ。 【画像】意外な落とし穴!? MT車はこれがないと車検に通らないってマジか! これを解消するテクニックが、いわゆるブリッピング。最近ではオートブリッピング機能のついたMT車も増えてきているが、ドライバー自身がやるとすれば手順は次のとおり。 ■例:4速から3速にシフトダウンする場合 ①クラッチを踏んでシフトレバーを4速からニュートラルの位置へ ②アクセルを軽く吹かして(およそ800回転ぐらい回転数を上昇) ③シフトレバーを3速に入れてクラッチミート これがブリッピングの流れ。下のギヤへ入れる前に、空ぶかしをすることで、ギヤとギヤの回転数の差、ステップレシオの差を埋めてやり、変速ショックをなくすのが目的。ブリッピングの量は各車、各ギヤで違うので、何度か試して最適量とタイミングを掴むしかない。 ヒール&トゥは、このブリッピングとブレーキングをセットにしたもの。 拇指球(つま先)でブレーキペダルを踏みながら、クラッチを切り、クラッチを切っている間に、ブレーキを踏みながら、しかもブレーキの踏力を変えずに、右足の踵側、より正確にいえば、右足小指の中足骨(足首寄り)付近で、アクセルを軽く吹かして(ブリッピング)、シフトレバーを動かし、直後にクラッチミートさせる。 ヒール&トゥで優先すべきは制動力なので、ブレーキが疎かになるのなら、ヒール&トゥはやらないほうがいい(シフトダウン後のクラッチミート時、半クラッチの時間を長めにとればいいだけ)。また、ヒール&トゥをした結果、クルマがギクシャクし、荷重変動が生じるようなら本末転倒。なんちゃってヒール&トゥでしかない……。 一朝一夕には上手なヒール&トゥは身につかないので鍛錬が必要だが、くれぐれも安全な場所で、後続車のいないところ(最初は同乗者もいないほうがいい)で練習してほしい。 MT車のシフトダウンは、シフトロックも怖いが、オーバーレブもリスキー(エンジンブローにつながる)なので、あまり高回転側を使わずに、4000回転前後の領域から、ブリッピングやヒール&トゥの練習をはじめてみよう。