埼玉栄高の生徒死亡事故、保護者は学校の対応に不満 「顧問がちゃんと出てきてやるべき」「甘やかしてんなって」
役員だらけの記者会見「顧問がちゃんと出てきてやるべき」
今回の事故ではさらに責任の所在が複雑だ。無免許で車を運転した生徒たち、その各部活動の顧問、鍵の保管に不備があったサッカー部の顧問やコーチ、そして問題を把握できていなかった学校側、深夜に複数の生徒が脱走した寮の管理体制も問われている。いずれも正常に機能していたら、事故は防げた可能性が高い。 会見で、町田校長は「痛恨の極み」と話した。一方で、理事長や校長の進退についての質問には、横から高田直芳・教学本部長が口を挟み、「全容解明がなされた後に考えるべきもの」として、本人たちからの意思表示を拒んだ。高田氏は埼玉県教育委員会教育長の経歴を持ち、前出の保護者は、「なんか見えない力がいろいろあそこにはあるのかなっていう感じがしました」と首をひねった。田中理事長は再度コメントを求められて、責任はすべて理事長と校長にあると語った。 司会も含めて全員が理事会の役員や教頭以上の管理職で、車に乗っていた生徒や軽自動車の管理状況を詳しく知る現場の教員が誰も出席していなかったことにも疑問を抱いた。 「まずは学校が謝る前に、親がちゃんと謝罪したらどうって僕は思いましたけどね。学校に迷惑かけてるわけですから。あとは、やっちゃったのはもうあれなんだから、その(乗車した生徒の)顧問がちゃんと出てきてやるべきじゃないのって思います。そこを隠す意味って全くない。寮の管理体制とかどうでもよくて、そもそも出ちゃダメでしょって話ですよね。それで出ちゃったんだったら、その担当の顧問の先生が保体科としてやっているんだったら出てきてほしいなと思いました」 埼玉栄は1学年の人数が約900人のマンモス校で、普通科とスポーツの成績に優れて中学から推薦などで入学する保健体育科(保体科)に分かれる。部活動の盛んな学校として知られるが、普通科も難関大も含めて進学実績がある。3年生は受験シーズンを控え、不祥事による影響も懸念されている。 学校の雰囲気は事故後、どうなっているのだろうか。 「子どもは、特に普通科のクラスの中はそんなに変わらないって言ってましたね。保体科のやってることだからね、みたいな感じっぽいです。保体科ちょっとやべえってしょっちゅう子どもは言ってたんで。一部の生徒でしょうけど、もう態度が悪かったり、電車の中のマナーだったりとかなってないみたいですね」 警察の捜査は現在も続いている。二度と起こしてはならない痛ましい事故。事故の原因究明とともに学校側の徹底した対策が求められている。
ENCOUNT編集部/クロスメディアチーム