セブン&アイ買収提案のクシュタールCEO「彼らの食品事業はワールドクラス」…店舗報道公開でPR
セブン&アイ・ホールディングスに買収を提案しているカナダのコンビニ大手アリマンタシォン・クシュタールが21日、日本の一部報道機関を対象に、カナダ・モントリオールで店舗を公開した。首脳陣はガソリンスタンドに大きく依存した現在の経営モデルから転換する上で、食品事業に強みを持つセブン&アイとの経営統合が必要だとの認識を強調した。(モントリオール 小林泰裕) 【写真】カナダのクシュタール店内のコーヒーマシン
モントリオール近郊はクシュタールにとって、1980年に事業を開始した創業の地だ。市中心部にある店内は日本のセブン―イレブンと同様に明るく、飲み物やお菓子などがきれいに陳列されており、現金自動預け払い機(ATM)もある。日本と同様に24時間営業の店が多い。
ホットドッグやハンバーガー、パンなどの軽食が充実しているほか、コーヒーマシンも設置されており、カフェラテやカプチーノが1杯約3カナダドル(約330円)で楽しめる。カフェラテはクリーミーで非常においしく、ホットドッグ(約310円)やクロワッサン(約330円)も印象に残るおいしさだった。
一方、店舗での取材に同行したクシュタールのアレックス・ミラー最高経営責任者(CEO)は「セブン&アイのコーヒー類はもっと先進的だ。彼らの食品事業は間違いなくワールドクラスだ」と評価した。
日本のセブン―イレブンでは1日に3回、弁当やおにぎりが店舗に配送されるのに対し、クシュタールでは食材の配達は多くて1日1回程度にとどまるという。クシュタールの店舗でもサンドイッチやサラダなどが販売されていたが、種類はセブンほど豊富ではないという印象を受けた。
創業者のアラン・ブシャール会長も21日、数ある日本のコンビニの中でセブン&アイに買収提案した理由について「おでんなど多くの食品が販売されており、素晴らしい供給網が整備されている」と強調した。ブシャール氏は6~7回来日した経験があり、「日本のセブンの手巻き寿司に感動した」とも話した。