<国会用語>ニュースでよく見る「臨時国会」って何?
秋が近づくと「臨時国会」をめぐるニュースが取りざたされます。「え、国会って年中やってるんじゃないの?」とか、「8月にも国会やってたし、そもそも年明けからもやってたんじゃないの?」と思う人もいるかもしれません。日本の国会は「年に何回開く」などの決まりはあるのでしょうか。
国会には3種類ある
たまにテレビ中継されている国会ですが、実は3つの種類があります。「通常国会」と「臨時国会」、そして「特別国会」です。それぞれ開催の目的が違います。 《通常国会》 通常国会は、国会用語としては「常会」といいます。会期は150日間で、憲法52条にあるように、毎年1回必ず召集することになっています。時期については、1月中に召集されるのが常例とされています。記事冒頭にある「年明けからやっていた国会」は、この通常国会のことです。 通常国会で審議される一番重要なテーマは、何と言っても新年度の予算です。国の会計年度は4月1日から翌年の3月31日までなので、新年度予算を3月31日までに成立させることが重要になります。そこで、いわゆる「年度内成立」をめぐって、しばしば与野党の駆け引きが繰り広げられます。 予算と予算関連法案が成立すると、次はその時々の政治テーマや重要法案の審議に移ります。通常国会は会期が長いので、予算以外にも多くの法案が提出され、成立します。 《臨時国会》 臨時国会は、その字の如く、臨時に必要になった場合に開かれ、通常国会を補完するような会期で開かれます。「臨時」とついてはいますが、慣例的に、毎年9月などの秋に召集されることが多く、補正予算や新たな政治テーマ、重要法案などを審議します。 開催のための具体的な条件は、(1)内閣の必要に基づく場合、(2)衆参いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があった場合、(3)任期満了による衆議院選、もしくは参議院選の後、です。 会期の規定は特になく、召集の目的に応じて変わるので、1日で終わる場合もあれば数カ月にわたることもあります。「8月にもやっていた国会」は、この臨時国会のことで、参議院選後に開かれ、新たな参院正副議長を選出するなどして6日間で閉会しました。 《特別国会》 特別国会は、衆議院解散による総選挙の後に召集されます。召集とともに内閣が総辞職するので、両院で内閣総理大臣の指名が行われます。