元女優・52歳が逆三角形のバックラインで魅せた 「目標はヴィーガンアスリートが年齢の枠を超えて日本一になること」
「ヴィーガンアスリートが年齢の枠を超えて日本一になることが私の目標です!必ず成し遂げて世界に羽ばたくので見ていてください」 【写真】元女優・窪田尚美さんが見せた逆三角形のバックライン そう力強く話してくれたのは、11月4日(月・祝)に千葉・市川市文化会館で開催された『マッスルゲート』の関東大会のボディフィットネス部門で3位に入賞した窪田尚美(くぼた・なおみ/52)さん。窪田さんは、北野武監督の映画にも出演経験のある元俳優。
「俳優業を辞めてからは飲食店の経営もしました。そのときはお肉も食べていましたし、自分の考えと正反対なことをやっているという感覚はあったのですが、経営者として従業員の生活も背負っているので簡単には辞められないと踏ん張っていました」 幼少期のころから動物を食べることに違和感を感じていた窪田さんは、飲食店の経営を辞めた後に、当時の思いが一気に湧き上がってきたと話す。 「犬が大好きで飼っていたのですが、同じ動物を食べることに苦しさを感じることが多々ありました。当時は動物性食品を食べない方が身体に悪いとも言われていましたし、親にもなかなか理解してもらえなかったことを覚えています。今では肉食をやめて10年、動物性食品を一切口にしなくなって8年が経ちました。まだまだ理解をしてもらえないことも多いですが、幼少期の頃の自分との約束を果たしたい気持ちと、自分自身への挑戦だと思っています」 日本は海外と比べてもまだまだヴィーガンへの理解が乏しい。それ故に、押し付けられるといった印象や、偏見の目で見る人も少なくない。実は世界的に見ても、完全なヴィーガンアスリートは少なく、日本では窪田さんが唯一無二の存在だそう。 普段は雑穀などで作ったガレットやピープロテイン、植物性のプロテインバーが主食。オフシーズンはバナナやナッツなどもよく口にするそうだが、一般的な飲食店が提供するヴィーガンメニューは、同じ調理器具を使っているので口にはしない徹底ぶり。 「ヴィーガンや個人の食生活の良し悪しではなく、野菜や植物性食品をしっかりと取ることで、体調が良くなることを多くの人に知ってもらいたいと思っています。来年からはJBBFで女子フィジークに挑戦し、植物性食品だけでも世界に通用する筋肉が作れることを証明します」 環境保護、動物愛護、飢餓問題……SDGsをはじめとした様々な問題を解決できる生き方がヴィーガンと信じ、その生き方が少しでも世の中を良い方向に導くことができればと願う窪田さん。 その信念たる優しさに裏打ちされた強さがコンテストの舞台で証明される日こそ、自分との本当の約束を果せる日なのかもしれない。
【マッスルゲートアンチドーピング活動】 マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。
取材・文:林健太 撮影:中島康介