リーアム・ニーソン、「僕はジャッキーじゃない」アクションへの持論とは?
アクションへの持論 「ジャッキー・チェンは好きだけれど、僕はジャッキーではない」
本作でニーソンが演じたマイケル・マコーリーという役は、60歳で突然保険会社をリストラされるという一般人男性だ。そんな男が家族を守るために甘い誘惑に乗ったことから起こる騒動を描いている。多くのヒーローものとは一線を画した、ある意味で親近感が持てる役柄だ。そこにはニーソンが考える役への取り組み方があるという。 「年齢を重ねるごとに、僕は演じる役柄に、自分の本質を少しずつ注入していきたいと思うようになったんだ。そうすることによって、脚本家が書いたセリフは真実味を帯び、より観客に信じられるものとして伝わる。そういったリアルさがとても大切なんじゃないかと思うんだ。それはアクションでも同じこと。ジャッキー・チェンは大好きだし、彼の作品もとても魅力的だと思っている。でもこの作品はジャッキー映画じゃないんだ(笑)。もちろん楽しくエンタメ性が強いということも映画にとっては大切な要素だけれど、僕は現実に根ざしたアクションを心がけている。だって、僕が演じたマイケルも敵も、格闘技のエキスパートじゃないからね」 また映画というメディアに対しても強い思い入れがあるというニーソン。 「僕は世界に対して、娯楽だけではない、なにかを提示するような作品が好きなんだ。もちろん楽しい映画も大好きだけれど、どこかスピリチュアルで心の肥やしになるような映画に惹かれる。自分のなかで合点がいかないものに対して、明確な光を照らしてくれるような映画や、人間の持つ普遍的なものを掘り下げるような作品に出会うとワクワクする。また、そういったものが共通言語として世界中で共有できるのも映画の魅力だと思う。映画は人間であることがどういうことなのかを掘り下げることができるすばらしいメディアだと思うんだ」 (取材・文:磯部正和) 映画『トレイン・ミッション』はTOHOシネマズ日比谷にて3月29日(木)特別先行上映、3月30日(金)より全国公開