意外と多い…1日に分泌される「唾液の量」と「その種類」
さらさらした唾液、ネバネバした唾液は役割が違う
唾液は一日にどのくらい分泌されているか、ご存じでしょうか? 従来は1~1.5ℓといわれていましたが、実際はその半分くらいのようです。唾液は唾液腺でつくられ、食事の際に多く分泌されます。でも食べていないときや、寝ている間も少しは出ますよね。 主な唾液腺は、耳の前方にある耳下腺、そして下顎のあたりにある舌下腺と顎下腺です。これらの唾液腺でつくられた唾液は、唾液管とよばれる細い管を通って口の中に分泌されます。食事の際には耳下腺でつくられる「さらさら」した唾液(漿液性唾液)が増え、これは消化酵素を含んでいるので消化に役立ちます。唾液には食べ物を美味しいと感じさせる大切な働きもあります。これは食べ物が唾液に溶けると舌の表面が刺激され、味覚を生じるためです。 「さらさら」した唾液に対して、「ネバネバ」した唾液(粘液性唾液)もあります。こちらはムチンという粘液性のタンパク質を含み、硬い食品や尖った歯、入れ歯から粘膜を保護するのに役立っています。
鈴木 郁子(歯学博士・医学博士・日本保健医療大学保健医療学部教授)