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「開票率0%なのに当確」はなぜ?元・ 選挙担当記者が明かす「8時当確」のウラ側

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ハフポスト日本版

7月5日の東京都知事選挙は、午後8時までに投票が締め切られる。 知事選に限らず、国政選挙などでもこれは同じ。そして、テレビの選挙速報でおなじみの光景が「午後8時」=投票が締め切られた瞬間の当確速報だ。 まだ誰も開票結果を知らないはずなのに、なぜ当選「確実」と言えるのか? そのウラ側を、NHKで国政選挙などに度々関わってきた筆者が(言える範囲で)明かそうと思う。

出口調査が全てではない

8時になった瞬間の当選確実報道を、報道用語で「8時当確」「20時当確」などと呼ぶ。よくTwitterなどでは「出口調査の結果をもとに結果を推計している」などの解説が並ぶが、それだけでは不正確だ。 出口調査は確かに参考になるが、それが全てではない。「8時当確」への布石はそのずっと前から始まっているのだ。

ミスターXを探せ!

選挙担当記者は、選挙の期日が近づいたり、衆議院では“解散風”が吹き始めたりすると、すぐに取材を始める。詳しい内容は伏せておくが、各陣営の体制やスタッフの手厚さ、重点地域...などの細かい情報を調べる。当然、こうした情報はネットには落ちていないことが多いから、足を使った取材が重要だ。 選挙取材で重要なことは、各陣営の選挙戦略を取り仕切っている「ミスターX」を探し当て、情報を得ることだ。選挙対策事務所の偉い人がいつもそう...とは限らない。本当に情報を握っている人物は、政党や陣営によって異なる。 こうした取材を積み重ねることで、大まかな構図が見えてくる。 選挙に“出る側”への取材と同時に、“投票する側”の意識もつかむ必要がある。筆者はよく、地元の人が集まる場所に出向き、選挙の争点や地元の候補者の印象を聞いて回った。選挙関係者だけでなく、一般の雰囲気を掴むことで、選挙区に吹く“風”を読むことができるようになる。

記者の観察眼が問われる

そして、選挙戦が始まる。出口調査は期日前投票の時点から行うこともある。 期日前と投開票日では、実は傾向に僅かな差がある。記者は、こうしたデータに目を通しながら、担当する陣営や選挙区に“異変”がないか気を配る。例えば、本来A候補が強い地域なのに、B候補との得票が拮抗していれば“あれ、おかしいぞ”となるわけだ。 自身の取材結果と期日前投票のデータがある程度符合し、十分に差が開いていれば「8時当確」も見えてくる。 数字だけでなく、記者の観察眼も重要だ。支持組織を抱える政党の場合、候補者の演説にどれだけ人を動員できているか、聴衆の反応はどの程度か...などをウォッチする。たとえ人が集められていても、候補者そっちのけで退屈そうにスマホをいじっていたり、おしゃべりに興じていたりすることもある。筆者は演説を取材するときは、候補者本人よりもむしろ聴衆の反応を見ていた。 街頭演説のスケジュールは分刻みだが、時には大幅に狂うことも。この場合、選対事務所が十分に機能しているか疑うこともある。 そして、投開票日当日。早朝から出口調査のデータに目を凝らしながら、最終判断に移る。たとえ出口で大きな差がついていても、記者が取材をもとに組み上げた“票読み”と合わなければ当確を見送る可能性だってある。

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