【アメリカ人の熱狂ぶりは?】新型フォード・ブロンコ 2週間で15万台予約 初代を3Dスキャンしていた
新型ブロンコ2週間で15万台予約
text:Kumiko Kato(加藤久美子) 24年ぶりに復活したフォード・ブロンコが多くのアメリカ人を熱狂させている。 【写真】そっくり? ぜんぜん違う? 新旧ブロンコ【比べる】 (164枚) 正式に発表されたのが7月9日で、そこからわずか2週間で15万台以上の受注があったという。2週間で15万台。COVID-19の影響で2020年上半期の販売台数が軒並み前年比マイナス2~3割となるクルマがたくさんある中で、驚異的と言える受注台数だ。 アメリカでもっとも売れているSUVはトヨタRAV4で2019年1年間は約45万台が販売された。新型ブロンコはその3分の1の台数をわずか2週間で受注したことになる。 なぜこんなに人気なのか? カリフォルニアにあるフォード・ディーラーに聞いてみた。 「アメリカ人にとっては『ブロンコ』は特別な存在。ベースとなるF150と同様、長い間、アメリカで親しまれてきた歴史のある4×4です」 「24年ぶりの復活ともなれば、クルマなんてもう見なくてもいい。広告の写真を見ただけでみんな注文するのです。カタログのスペックも試乗もおそらく不要なのでしょう」 「初代ブロンコへのオマージュにあふれたあのクラシックなフロントデザイン。全体のシルエットも初代ブロンコに似ているでしょう? 我先にと注文するのは当然でしょうね」 「もっとも、『ブロンコ』というブランドが復活したというだけで熱狂しているから、写真すら見ないでも買うのかもしれないですけど(笑)」 アメリカ人を熱狂させているあのクラシックで印象的なデザインは、どのようにして生まれたのだろうか?
初期型ブロンコを3Dスキャンした
新型ブロンコのクラシカルなデザインが初代ブロンコへのオマージュだということは良く知られている事実だ。 では実際にどのようにデザインされたのか? 実は、実物の「アーリーブロンコ」を直接3Dスキャンしてデザインが作られている。 アーリーブロンコとは、1966~1977年に生産されたファーストジェネレーションとなるブロンコの愛称だ。 アメリカでは現在も高い人気を誇っている。 しかもスキャンしたクルマは新型ブロンコのデザイン責任者でもある、フォードモーターカンパニーのデザイン担当副社長モーレイ・カラム氏の愛車だ。 今年62歳になるカラム氏は2014年1月1日から同職で、2000年初頭にはマツダ車のデザインについても陣頭指揮を執った。 3Dスキャンをしてデザインされる様子はフォード社公式のツイッターで動画が公開されている。 「フォードの設計者は3Dスキャン技術を駆使して、このクラッシックなSUVの細部まですべてマッピングしました」 「ブロンコの名前にふさわしいものを作成することで開発を始めたのです」(フォードモーターカンパニー公式ツイッターより) そして誕生した新型ブロンコは、全く新しいモデルであるにも関わらず、デザイン、そしてサイズに至るまでアーリーブロンコのイメージに包まれたブロンコ好きにはたまらない最高のSUVとして発売が開始されたというわけだ。 その魅力や現在の納車状況を改めて、米国フォード社のプロダクトスペシャリストに聞いてみた。