ヒグマの捕獲数、道南85%増の300頭 北海道内最多
道は昨年度のヒグマの捕獲数の確定値を公表した。全道で1804頭と、統計を取り始めた1962年度以降で最多。道南(渡島・桧山管内)でも300頭と、前年(2022年)の162頭から85%増となった。昨年は木の実が不作で、冬眠前のクマの人里への出没が増えたためとみられる。
全道の23年度ヒグマ捕獲数は、22年度の940頭から9割以上の増加。21年度の1056頭と比べても7割以上の増となった。道野生動物対策課ヒグマ対策室は「昨年は、全道でも道南でもクマの秋の主要食物のドングリ、ヤマブドウ、コクワ(サルナシ)が不作で、クマの出没が多発した」とし「問題個体(人を恐れず、農作物などに執着するようになったクマ)が目立つようになったことから、捕獲の機会も増えた」としている。 環境省のクマの許可捕獲数統計(速報値)によると、今年4月から10月までの全道の狩猟を除くクマ捕獲数は613頭となっており、今年の捕獲数は昨年を大幅に下回る可能性が高い。同室は、今秋は山の木の実が豊作であったことからクマの出没は減ったとみているものの「個体数自体は増えており、来年は人とクマのあつれきが増える可能性がある」とみている。 道は、年内にも一部を見直す「ヒグマ管理計画(第2期)」に盛り込むゾーニングと頭数管理の方針を踏まえ、来年からはより積極的な捕獲を進め、頭数を抑制してあつれき低減を目指す。
函館新聞デジタル