園長「ありもしない憶測」と保護者に説明 園児への虐待事件で 栃木
栃木市都賀町の私立認定こども園「都賀幼稚園」で2月に起きた園児への虐待事件を巡り、加害職員の父でもある園長が11月、保護者に対し「ありもしない憶測」などと説明していたことが分かった。市は「非常に心外」として発言に注意するよう園側に申し入れたという。 【図解】子どもの話をまとめてはダメ 虐待を見逃さないために 音声データを入手した大浦兼政議員(自民未来)が6日の市議会一般質問で発言内容を明かした。議員によると、園長は11月21日、園内行事のあいさつで事件について触れ「外部の人が分からずにありもしない憶測とか批判をしているのが現状」「やってもいないことをやった、やったという風な騒がれ方をしている」などと説明した。併せて第三者評価の導入、教室へのカメラ設置などの改善策を示したという。 発言内容は市も把握しており、小川稔こども未来部長は「行政批判ととらえられる部分もある。非常に心外であり申し入れをした」と答弁した。問題に対する園側の姿勢を疑問視する一部保護者は市や県に善処を要請しており、大浦議員は「園が反省していない証拠」と指摘したが、市は「全く反省していないとは言えない」と擁護した。 市によると、園は11月に第三者評価を導入し、12月に保護者への説明会を予定している。対応の遅れに不安を募らせている保護者もおり、大川秀子市長は「園側の虐待に対する認識が甘く、改めさせるために時間を要した」との認識を示した。【太田穣】