保守分裂「小池氏vs.増田氏」共同会見で静かな火花 宇都宮氏は出馬を撤回
「なぜ、私ではなかったのか?」
小池氏は自らが質問側になった際には増田氏を指名し、保守候補の「直接対決」の様相に。「前回の知事選挙では自民党を除名されたのに世論調査の支持率が高いという理由から、(都連は)舛添氏を推薦した。現職の国会議員が出馬したら補欠選挙をしなければならないのでダメということだった」と振り返った後、増田氏に「私は除名されていない現職議員として今回の知事選に手を挙げたのに、どうして(都連の推薦は)私ではなかったんでしょうか」と問いかけた。 増田氏は戸惑いの表情を浮かべながらも「自民党側の事情は十分承知してはいませんが、私が出馬を表明したのは区市町村長との対話を積み上げ、その上で山積する都政の課題を円滑に遂行していこうと考えたから」とし、「小池先生の冒頭解散というのは都議から職を奪ってしまうことになります。お叱りいただくかもしれませんが、やられていることは『劇場型』のような感じがいたします。そういうところが皆様方の判断につながったのではないか」と答えた後、詫びるかのように深々と頭を下げた。 小池氏は司会者に制止されながらも即座に「一つだけ言っておきますが、区市町村のいろんなイベントは都連が準備したものですよ」と言い返した。
鳥越氏は「がん検診100%」公約に
一方、野党側の2人のうち宇都宮氏は12日夜、鳥越氏と会談した後に出馬辞退に含みを持たせる発言をしたものの、この日の会見では辞任の可能性を否定。「昨日も現在も、鳥越さんはこれから政策を作成するということで、(昨晩は)出馬の思いはうかがいましたが、政策は明確なものがありませんでした。基本的に出馬の意思は変わりません。鳥越さんを支持する野党4党に政策協定があるのかも不透明」と語っていたが、13日夜になって野党候補の一本化を目指す動きに同意し、出馬撤回を決意したとみられる。 一部では「究極の後出しじゃんけん」と評されながらも抜群の知名度を誇る4野党統一候補の鳥越氏は会見の冒頭、「がん検診100%」と手書きしたボードを示し、「日本では2分の1の人ががんにかかり、3分の1の人ががんで亡くなっています。この状況を少しでも改善するため現在は30%の受診率をせめて50%に、最終的には100%に高めたい」と訴えた。 他の候補を選んで質問する場面では、自公の推薦を得た増田氏を指名。同氏が総務相時代に行った、都税収入を地方交付税として配分する政策に疑問を呈した。 (フリー記者・本間誠也)